諸情勢の報告(平成29年12月議会)

2017年12月14日

平成29年12月5日

平成29年第4回(12月)  千曲市議会定例会

諸情勢の報告

 

初めに

 

◆「北陸新幹線新駅誘致に関するJRの回答と今後の在り方について」申し上げます。

 

 ご承知のように、北陸新幹線新駅誘致は平成4年、今から約25年前になりますが、新幹線建設の地元対策委員会が鉄建公団との設計協議の際に駅設置の要望を行ったことが契機となり誘致運動がスタートいたしました。

 

 平成6年には、当時の更埴市議会が「北陸新幹線の更埴市停車の対応に関する決議()」を全会一致で可決。以後、昨年8月までの間に更埴市議会で2回、千曲市議会で2回の合計4回にわたって市議会による「新駅設置に関する決議」が可決されたところであります。

 

 また、平成8年には、更埴商工会議所会頭、JAちくま組合長、更埴市建設業協会長、更埴青年会議所理事長、県議会議員、市議会議員など経済界を中心とした「北陸新幹線(仮称)更埴駅誘致対策協議会」が発足。会長に商工会議所会頭が就任されました。

  

 その後、平成9年には、官民連携の新駅誘致期成同盟会とすべく、協議会を「北陸新幹線(仮称)更埴駅誘致期成同盟会」に名称変更。市民の強い要請により、更埴市長が会長を引き受け、県知事に顧問をお願いしてまいりました。

 

 その結果、新駅誘致運動は、更埴市議会での議決をはじめ、県議会での採択、JR東日本や国土交通省への要望活動などが活発に行われ、大変盛り上がりをみせた時期でもありました。

 

 しかし、平成12年、県知事が交代され、同盟会に知事が入会されなかったことから、誘致運動は事実上の休止状態となりました。

 

 平成15年「千曲市」が誕生し、新駅誘致は、改めて12町の協議により、新市建設計画の中に位置づけられ、続く平成19年の「千曲市総合計画」にも新駅誘致は引き継がれたところであります。

 

 こうした中、平成2012月、改めて「北陸新幹線上田・長野間新駅誘致市民協議会」が設立され、市民運動として再度、新駅誘致運動に取り組むこととなり、会長に「千曲商工会議所会頭」、副会長には「戸倉上山田商工会長」と「科野青年会議所理事長」、役員に各団体の長の皆様が就任され、顧問には、当時の近藤市長や市議会議長、地元県会議員が就任されました。

 

 平成22年には「新駅誘致市民協議会」の活発な活動を踏まえ、近藤市長が3月の市議会定例会において、施策方針の中で、改めて「新幹線新駅誘致」を表明されました。

 

 その後、平成251月には、現在の同盟会である、「北陸新幹線誘致期成同盟会」に名称が変更され、平成262月には「新幹線新駅を活かしたまちづくり基本構想(案)」を策定し、2月から5月まで市内18か所で説明会を開催しました。

 

 また、同年7月には、長野県市議会議長会において「新幹線新駅の早期実現」を可決。県議会でも「新駅誘致の請願」は、平成8年から平成27年までの19年間に通算して6回にわたり採択をいただきました。

 

 また、平成2611月と272月の県議会定例会では、議員の一般質問に答える形で、知事や企画振興部長から新駅誘致に対する前向きな答弁をいただいたほか、平成289月には、同盟会の皆様のご尽力もあり、県内全ての「市長」、「市議会議長」が同盟会顧問を受諾。本年2月には、阿部知事が同盟会顧問に就任されました。

 

 知事が同盟会の顧問に就任されたことで、新駅誘致が長野県全体の課題となり、本年3月、JR東日本長野支社に、期成同盟会として「北陸新幹線新駅設置要望書」を提出することが出来ました。

 

 JRへの新駅誘致の要望は、過去において3回行っていますが、いずれも要望に対する回答がなく、先の見えない状態が続いていましたが、4回目の要望となる今回は、知事が顧問に就任されたこともあり、本年10月には、誘致運動がスタートして初めてJR東日本長野支社から「新駅誘致に対する回答」をいただくことが出来ました。

 

 JRから初めて回答が示されたことは、これまで大変ご苦労頂きました同盟会皆様、市議会の皆様の並々ならぬ努力があったからであり、改めて感謝を申しあげたいと存じます。

 

 以上がこれまでの新駅誘致運動の概略の経過であります。

 

  こうした経過の中で、私は、平成2411月の市長選挙で初当選をさせていただき、近藤前市長から市政を引き継ぐこととなりました。その中で「新幹線新駅誘致運動」は、宮坂市政、近藤市政とお二人の市長から引き継いだ重要な施策と位置付け、これまで取り組んで参りました。

 

 新駅誘致の施策を引き継いだ私としては、昨今の著しい人口の減少や少子高齢化が進む中で、これからの千曲市の発展には、(1)新駅は、地域の活性化に貢献する有効な手段になること。更には、(2)千曲市が県全体の「広域交流拠点」としての役割を果たすことで、県土全体の発展につながればという思いもあり、市長就任後から今日まで5年間、市議会の皆様並びに期成同盟会の皆様と共に、誘致活動を推進してまいりました。

 

 しかし、昨年の市長選挙では、ご承知のように「新駅誘致」が争点化され、大変厳しい中で、僅差での当選となりました。もちろん結果の全てが、新駅誘致が原因であるとは考えておりませんが、新駅誘致に対する市民の一定の評価が投票行動に表れたことは事実であると受けとめております。

 

 特に、市長選挙中に市民の皆様からいただいた声は、新駅誘致に賛成する方も、反対する方からも「新駅誘致の結論を早期に出すべきだ。」との声が、大変多かったように思います。

 

 そうした中、私は、20年以上続いた「新駅問題」について、このまま、ずるずると引き延ばすことには疑問もあり、私の任期中の23年でしっかりと方向付けしたいと申し上げて参りました。

 

 新駅誘致に「賛成する方」、「反対する方」どちらにも納得できる答えを導くことは、大変難しいことで、簡単ではありません。そのためにも、できるだけ早い時期に、JR東日本の新駅に対する考えをしっかりとお聞きすることが必要と判断し、4回目の新駅設置の要望書をJRに提出させていただきました。

 

 要望書の提出後は、回答を求め交渉を続けてまいりましたが、JR東日本では、原則的に要望に対する回答を行わないとされていることから、回答を得るための交渉は大変難航いたしましたが、交渉を重ねることで、1020日にようやく回答文書をいただくことができました。

 

 回答内容は、私たちが想定していた「乗降客数の需要予測」や「駅舎建設費」についての見解ではなく、議会の特別委員会や全員協議会でも申し上げました通り「技術的に新駅設置は困難」との内容であり、長い間、新駅誘致を行ってきた私達にとっては大変厳しく、残念な回答でありました。

 

 なぜなら、長野新幹線建設当時、鉄道建設公団から五里ヶ峰トンネル出口付近の線路の勾配をゼロとすることで、将来新駅が出来る可能性を残すとの話があったとされていたことから、新駅が「技術的に困難」という回答は想定外でありました。

 

 中でも、新駅が出来る可能性が高い「五里ヶ峰トンネル付近」は、JRによると曲線半径が4000mあり、時速200キロ以上の速度を出す電車が遠心力を使ってスムースに走れるよう線路の「カント」というレールの右と左の高さに20センチの差が付いており、仮にこのような場所に電車が停車した場合には、電車全体が傾き、お客様が転倒の恐れがあり、JRとしては、そのような場所に駅を造ることはサービスや安全のうえから困難であるとしています。

 

 こうした「カント」については、平成13年、JR会社法が改正され、JRが純粋な民間会社となり、平成14年には、鉄道に関する技術上の基準を定める省令が施行され、国土交通省が監修する「解説 鉄道に関する技術基準(土木編)」が発刊され、その中で停車時の車体の傾きに関する考え方が新たに示されたためであり、誘致運動が始まった平成4年当時にはなかったものであります。

 

 今となっては、平成14年にできたものであれば、もう少し早い段階で、市にお示しいただけなかったのか、また、市としてもこうした状況を把握できなかったことに、悔しさも残ります。

 

 一方、JRからの回答については、市としても回答内容を検証する必要があることから、これまで期成同盟会の総会に併せて行った講演会で、ご講演をいただいた鉄道工学に詳しい先生方をはじめ、新幹線の建設主体である、鉄道運輸機構に、JRからの回答内容をお示ししてご意見をお聞きいたしました。

 

 その結果、全ての先生がJRの回答について肯定するとともに、妥当な回答であるとの判断を示されました。

 

 また、回答の中には、技術的に困難としたものの、あえて造るとした場合の対応策として、前段申しあげた「カント」を「低減する工事」など3案が示されましたが、それぞれの建設費が不明であったことから、再度JRに回答を求めたところ、関係の皆様のご尽力により、過去の実績や経験、類似の事例に基づく建設費の推量結果について回答をいただくことが出来ました。

 

 こうした工事の金額によっては、新駅設置の希望もあるのではないかと、望みをもっておりましたが、示された3案はいずれも新駅設置は現実的ではないとしたものの、最も経費が安いとされる「カントの低減工事」に掛かる費用の概算は、駅舎建設費用を合わせて、250億円から350億円という膨大な工事費が必要であることがわかりました。

 

 こうしたことから、市としては、この金額を全額負担し、新駅設置を進めることの合理的な理由が、いくら考えても見つけることはできません。

 

 市民の皆様が納得できる合理的な説明ができない以上、千曲市の行政をあずかる者として、新駅設置を目指し運動を継続することは極めて困難であり、私自身、大変悩みました。

 

 また、マスコミの報道を見た多くの市民の皆様からも、「新駅をあきらめるのか」とのご意見や「もう十分だ。結論を出した方が良い」、「長くかかりすぎた。市長は決断すべきだ」、「将来に希望を残してほしい」などなど、様々な意見をお聞きしました。

 

 振り返れば、新駅設置が千曲市の発展につながるとして、共に懸命に取り組んでいただきました市議会や誘致期成同盟会の皆様、また、新駅に期待をしていた多くの市民の皆様のこれまでのご努力や、新駅にかける思いを考えるとき、まさに、断腸の思いでありますが、実現性が見通せなくなった今、このまま誘致運動を続けていくことは、市としては許されないものと判断いたしました。

 

 議員各位をはじめ、期成同盟会の皆様をはじめ、署名をされた皆様、そして市民の皆様には、現状をご賢察いただきき、新幹線新駅誘致運動は、本日をもって、いったん区切りを付けさせていただきたいと存じます。何卒ご理解を賜りますよう衷心からお願いを申し上げる次第であります。

 

 そして、北陸新幹線は、将来にわたり千曲市を走り続けます。今は技術的な制約により、駅の設置は困難でありますが、近い将来、鉄道技術の進歩により、今日の課題が克服される日が訪れることを期待したいと思います。

 

 その日が来るまでは、千曲市として、さらに磨きをかけ、新駅を設置したくなるような魅力あるまちづくりを進めていくことで、未来に希望を託したいと存じます。

 

 また千曲市は、新幹線新駅がなくても、県内有数の交通の要衝の地であることには変わりがありません。現在進行中の「屋代地区土地区画整理事業」や「雨宮産業団地造成事業」も千曲市が交通の要衝の地であることから、多くの企業が注目する中で、着実に計画が進行するものと考えております。

 

 今後も、引き続き、千曲市の将来を見据え、交通の要衝の地として、千曲市の更なる発展に尽くしてまいる所存であります。

 

 議員各位をはじめ、市民の皆様には、今後も引き続き、市政進展にご支援とご協力をお願い申し上げ、新幹線関係の報告とさせていただきます。

 

 

◆次に、諸情勢について申し上げます。

 

 

◆はじめに、「竹林の湯・貯湯槽のお湯漏れへの対応について」申し上げます。

 

 119日、お湯漏れの発生していた貯湯槽の「内壁防水シート及び断熱材」の撤去工事を行い、翌1110日に貯湯槽のコンクリートの状況を点検いたしました。その結果、大きな異常は認められませんでした。

 

 今後は、施設の早期再開を目指して、防水シートの全面張り替えによる修繕に着手してまいります。

 

 

◆次に「児童福祉施設の耐震化について」申し上げます。

 

 建築基準法の改正(昭和566月)前に建築された「埴生保育園」及び「稲荷山児童センター」の耐震改修工事でありますが、埴生保育園は11月末までに完了し、また、稲荷山児童センターは施工業者が決定し、年度内完了の目途がたちました。

 

 耐震診断結果から、現在、7園が耐震補強の必要があるとされており、今後は、計画的に施設改修を進めてまいります。

 

 

◆次に「松田館について」申し上げます。

 

 本年96日に発生した松田館の火災により、県宝である「斎館」をはじめ、主屋など多くの建物等を焼損する事態を招きました。

 

 先ごろの議会全員協議会でご説明申し上げましたとおり、千曲坂城消防本部により火災原因が特定されたことを受け、1113日付けで職員の処分を実施いたしました。

 

 今後は、「大頭祭」にも使われる重要な建物である斎館につきまして、引き続き「県宝の指定継続」を県教育委員会に要望していくとともに、平成30年度での再建に向けて、現在、所有者並びに関係者と協議を重ねているところであります。

 

 

 以上、申し上げ、諸情勢の報告とさせていただきます。

 

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