平成30年度施政方針演説(3月議会)

2018年2月27日

平成30年2月27日
第1回(3月)千曲市議会定例会
岡田千曲市長 発言

 

 

 

 

 

【はじめに】

 

 平成30年度の一般会計予算案をはじめ、関連諸議案をご審議いただくに当たり、市政経営に対する所信の一端を申し述べ、あわせて、重点施策について説明します。

 

 国では、景気回復が長期化する中、昨年12月に「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定。その内容は、少子高齢化という最大の壁に立ち向かうため、2020年に向けて、賃上げや設備投資を進めるとともに、子育て世代や子どもたちに大胆に政策資源を投入することで、我が国の社会保障制度を、お年寄りも若者も安心できる「全世代型」へと転換していくとしています。

 

 千曲市でも、こうした課題に対応するため、効果的で有効的な施策を強力に展開していく必要があり、平成30年度予算の編成に当たっては、将来を見据えた予算となるように努めたところであります。

 

 さて、私は、第5代千曲市長として市政を担当させていただいてから14か月が経過しました。本年11月には2期目の折り返しを迎えます。

 

 2期目の就任の際に申し上げましたが、私の目指す政策は、(1)しっかりと千曲市の未来のカタチをつくること。(2)行政運営について説明責任を果たすとともに成果を重視し、結果を出していくこと。(3)市民満足度を一層高めることであります。

 

 こうした方針の基、人口減少時代における千曲市創生に向けて、昨年4月に「第二次千曲市総合計画」をスタートさせました。引き続き、計画に沿って、千曲市の未来を見据えた政策を着実に具現化してまいります。

 

 また、四半世紀にわたり、運動を展開してまいりました「北陸新幹線新駅誘致」については、昨年12月の市議会定例会で、「一旦区切りを付けさせていただきたい」と申し上げ、これまで、多くの皆様に説明をしてまいりました。説明に当たっての私の感触としては、「一旦区切りを付ける」ことについて、市民皆様から一定程度、ご理解をいただけたものと感じています。

 

 ご承知のように千曲市は、新駅がなくても、県内有数の交通の要衝の地であることには変わりがありません。引き続き「交通の要衝」という「地の利」を活かして、千曲市の更なる発展に尽くしてまいる所存であります。

 

 なお、新駅誘致にあたって実施してきました各種の調査資料等は多岐にわたっており、今後も利用できるものは、まちづくりの中で活用してまいります。

 

 

【平成30年度予算案の概要】

 

 次に、平成30年度当初予算案の概要について申し上げます。

 

 本市の財政状況は、平成28年度決算では、新庁舎建設事業等の大型事業の着工により「財政力指数」、「経常収支比率」、「実質公債費比率」、「将来負担比率」などの各財政指標が、平成27年度決算と比べ若干悪化しており、この傾向はしばらく続くものと考えています。

 

 今後、合併特例債の償還に係る公債費が嵩むことや、社会保障費の増加が見込まれるなど、引き続き厳しい財政運営を迫られることになります。

 

 こうした情勢を踏まえ、平成30年度の予算編成に当たっては、引き続き合併の総仕上げとしての「新体育館、市庁舎」の建設をはじめ、「戸倉上山田中学校改築事業」、「都市計画道路千曲線改良事業」に取り組むほか、子どもや若者、高齢者に対する支援策を充実させるなど、一般会計予算の総額は、過去最高となる前年度比28.9%増の3137,000万円といたしました。

 

 まず、歳入のうち市税では、「個人市民税所得割」、「法人市民税税割」で増額が見込まれる一方、「固定資産税」では土地価格の下落に歯止めがかからず、また、評価替えの影響等もあり減収となるものの、市税全体では、前年度とほぼ同額の732,1273千円を見込みました。

 

 また、普通交付税では、合併算定替えの段階的縮減が最終の5年目となるほか、普通交付税への公債費算入分の減額もあり、前年度比24,000万円の減額を見込みました。財源不足分については、財政調整基金から9億円を取り崩し繰り入れることにしています。

 

 歳出においては、大型事業が最終年度を迎えることから、先送りできる事業については先送りし、市民生活の安心・安全を確保するため、緊急性の高い事業に優先配分したほか、将来への投資として「屋代地区土地区画整理事業」や「都市基盤整備事業」、「子育て支援事業」については、引き続き充実させるなど、メリハリのある予算編成といたしました。

 

 また、新幹線の新駅誘致に区切りをつけたことから、「広域交流拠点都市」として2次交通の充実を図るため、新たに「地域公共交通網形成計画」の策定に着手するほか、「しなの鉄道」の利便性の向上に向けて、しなの鉄道駅と新幹線駅との接続や、循環バスとの連携など、公共交通網の充実にも努めてまいります。

 

 一方、国民健康保険特別会計など4つの特別会計と下水道事業及び水道事業の公営企業会計予算の総額は4.5%減の1733,9709千円、千曲坂城消防組合など7つの一部事務組合負担金については、3.9%増の162097千円を計上しました。

 

 いずれにしても、平成31年度には普通交付税の合併算定替えによる優遇措置が終了することから、引き続き厳しい財政運営が予想されます。

 

 このため、平成31年度を終期として策定した「第4次行政改革大綱」に基づく歳出削減の取組みを確実に実行するほか、公共施設の「個別施設計画」や「公共施設再編計画」の策定に着手し、効率的な施設配置を進めることで、将来の財政負担軽減を図ってまいります。

 

 また、各種施策の推進に当たっては、「市民と行政との協働の理念」に沿ってオール千曲で施策の推進に取り組むことで、住民福祉の向上に努めてまいります。

 

 

【平成30年度重点施策】

 

 次に、平成30年度の重点施策であります。

 

 平成30年度は、次の8点を重点施策として進めてまいります。

 

 

 第1は、「第二次千曲市総合計画の推進」であります。

 

 「第二次千曲市総合計画」は、構想期間である2027年までの10年間にわたって様々な事業を展開してまいりますが、この期間は、まさに「合併の総仕上げ」から「新たなまちづくりのカタチ」を作り出す「成長期」にも当たることから千曲市にとっては、極めて重要な期間と言えます。

 

 このため、平成30年度も引き続き、計画した各種施策を着実に推進し、「信州の交流拠点都市」として、「歴史と文化を生かした躍動感にあふれる安心安全な千曲市」の実現に全力で取り組んでまいります。

 

 

 第2は、「産業の振興」であります。

 

○一つ目は「連携による産業の基盤づくり」であります。

 

 千曲市の景況については、昨年実施された千曲商工会議所の「景気観測調査」では、「一部に厳しい見方が残るものの、穏やかな回復基調が続いている」との判断であり、また、戸倉上山田商工会の「景気動向調査」では、「良い」は10.0%、「普通」は54.3%、「悪い」は35.7%という状況でありました。

 

 特に製造業では、人手不足の影響で受注消化ができないという状況も一部にあるなど、有効求人倍率の上昇とあいまって深刻な労働力不足の懸念も高まってきているように感じています。

 

 一方、国では「働き方改革」として、ワークライフバランスの推進などに取り組むとしており、人手不足を補うためのAI(人工知能)やIoT(インターネット オブ シングス…物のインターネット化)、ロボット技術などを軸とする「第4次産業革命」に向けた取り組みもスタートしており、「生産の質」そのものが変化しようとしています。

 

 こうした中、市としては、企業の設備投資の促進と資金調達力を高めるため、引き続き、利用が多い「設備投資特別資金(利率年1.5% 貸付限度額3千万円)」の運用を平成30年度も継続するほか、資金繰りの安定化を図るため、「特別小口資金」の貸付限度額を現行の1,250万円から2,000万円に引き上げるとともに、貸付対象者についても県の制度資金同様、医業や歯科医業まで拡大するなど、制度の充実を図ってまいります。

 

 また、平成28年度に「中心市街地活性化基本計画」を策定したことから地域内消費の拡大と活性化を図るため、様々なプロジェクトを推進してまいります。

 

○二つ目は「企業立地促進に向けた取組み」であります。

 

 交流人口の増加と地域経済の活性化を目指して進めてきた「屋代地区上信越自動車道西側地域35ha」の土地区画整理については、地権者の合意のもとに大型商業施設の誘致やスマートICの新設などの事業化に向けて引き続き取り組むとともに、事業が円滑に進むよう、平成304月から市の行政組織について一部見直しを行います。

 

 また、公民連携事業として進めてきた「雨宮産業団地造成事業」については、順調に地権者の皆様のご理解をいただきつつありますので、早期事業化に向けて、引き続き進出企業等への支援に努めてまいります。

 

 このほかにも、中心市街地への店舗・事務所の出店等を促進するため、中小企業融資制度の「魅力ある店づくり資金」及び「空き店舗対策資金」の利率をそれぞれ0.4%引下げ年1.7%とするほか、市内へ進出する企業に対する「企業立地資金(設備資金)」についても、県と同様に貸付期間を12年から15年に延長して負担の軽減を図り、企業立地を資金面からも支援してまいります。

 

○三つ目は「農業の担い手の確保と高付加価値農業の推進」であります。

 

 人口が減少する中で、市の基幹産業としての農業の衰退が懸念されていることから、都市圏等からの新規就農者や定年帰農者が円滑に就農できるためのサポート体制の構築は、千曲市農業にとっては極めて重要な施策であります。

 

 具体的には、担い手の受入れ態勢や育成態勢などの強化を図るほか、担い手への「農地の集積」と「経営の安定化」を支援するため、「人・農地プラン」や「農地中間管理事業」、「農地情報公開システム」等、徹底した情報の発信と相談体制の強化を図ってまいります。

 

 また、「千曲川ワインバレー特区」の一員として「ワイン用ブドウ」の栽培に関する調査・研究を進めるとともに、ワイン用ブドウの栽培を拡大することで、遊休農地の解消にも力を入れてまいります。

 

 高付加価値農業の推進では、あんず振興について、ハーコットの品質の向上など「プレミアム化」の推進に向けて、「出荷試験」や「品質保持フィルムによる鮮度保持試験」の実施、圃場での栽培方法の研究や凍害対策試験などに取り組むほか、あんずの栽培技術を伝承すべく、専業農家の皆さんによる「あんずマイスター制度」などについても研究してまいります。

 

 このほか、既に一定の競争力・ブランド力を持つ「トルコギキョウ」については、市内でのイベントや2020年「東京オリンピック・パラリンピック競技大会」における表彰式のコサージュなどへの活用について研究するとともに、関係機関に働きかけてまいります。

 

 

 第3は、「子育て支援施策の推進」であります。

 

 本市の人口ビジョンでは、平成52年の目標人口を50,000人と定めており、平成52年の合計特殊出生率を国の長期ビジョン同様2.07人とする必要があることから、引き続き、若い世代の結婚、出産、子育ての希望をかなえる施策に積極的に取り組む必要があると認識しております。

 

 このため、平成30年度は、これまで子育てに関する相談等について「母子保健法」、「子ども子育て支援法」、「児童福祉法」などに基づき、多くの部署や関係機関が分担して支援してきましたが、利用者の利便性を高めるため、これらの相談等の業務を一括してワンストップで相談できる「子育て世代包括支援センター」の設置に向けて体制の整備に着手します。

 

 また、平成28年度から運用を開始しました「子育て応援アプリ」については更に充実するほか、「多子世帯に対する保育料の軽減」をはじめ、「三世代同居近居促進事業」、「ひとり親家庭サポート事業(こども食堂)」、「産前産後ヘルパー派遣事業」、「病児・病後児保育事業」、「子育て短期支援事業」、「マタニティタクシー利用料金助成事業」、「子育て支援活動費補助事業」、「赤ちゃんSA(サービスエリア)整備補助事業」、「学習支援事業」など50を超える経済的・精神的負担を軽減する施策や、育児と仕事の両立を図る施策などについて部局横断的に総動員し、「子育てがしやすいまち」の実現に努めてまいります。

 

 

 第4は「高齢者福祉施策の推進」であります。

 

○一つ目は「地域包括ケアシステムの構築」であります

 

 多くの人は要介護の状態になっても、可能な限り住み慣れた地域や自宅で生活を続け、人生の最期の時まで自分らしく生きることを望んでいます。このため、「医療」や「介護」「介護予防」「住まい」及び「自立した日常生活の支援」が包括的に確保される「地域包括ケアシステム」の構築が必要であり、その推進に取り組んでまいります。

 

 「地域包括ケアシステム」は、おおむね30分以内の生活範囲の中で、必要なサービスを受けることができる仕組みであり、「地域包括支援センター」が中心となって、「在宅医療や介護」、「認知症対策」、「介護予防・日常生活支援」など、高齢者の様々なニーズに対応することになります。

 

 また、認知症や障害などにより判断能力が十分でない高齢者や障害者などの権利擁護については、新たな「法人後見事業」に取り組んでまいります。

 

○二つ目は「『高齢世帯』及び『一人暮らし高齢者』への支援」であります。

 

 国立社会保障・人口問題研究所が本年1月に公表した「日本の世帯数の将来推計」によると、全世帯主に占める「65歳以上世帯主」の割合は2040年には44.2%と大幅に増えると推計しています。

 

 また、65歳以上の独居率は、男性が2040年には20.8%(5人に1人)、女性が24.5%(4人に1人)になるとしています。

 

 千曲市では、具体的な推計はしてありませんが、全国同様の傾向にあると考えており、世帯主の高齢化に対応するため、平成30年度から高齢者の「日常生活支援」や「介護予防の充実」、「社会参加の推進」など、高齢者が可能な限り住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、地域全体で高齢者を支えていく「生活支援体制整備事業」に取り組んでまいります。

 

 

 第5は、「文化財の保護・継承と活用」であります。

 

○一つ目は「松田館」についてであります。

 

 昨年9月の火災で焼損した「松田家住宅主屋」、「松田家斎館」は、「長野県宝」の指定が解除されたことから、市の指定文化財に追加指定し、再整備を図ってまいります。

 

 特に、斎館については「千曲市歴史的風致維持向上計画」における「歴史的風致形成建造物」に指定されており、また「国の選択無形民俗文化財大頭祭」等で使用される重要な施設であることから、平成30年度中に再建できるよう、国の支援を得て必要な助成をしてまいります。

 

 また、主屋等については、平成30年度から整備計画を検討し、平成31年度以降の整備を目指してまいります。

 

○二つ目は「千曲市歴史文化基本構想」の策定であります。

 

 平成30年度から、文化財保護行政のマスタープランとなる「千曲市歴史文化基本構想」の策定に着手します。策定期間は3か年で、この構想では、地域に存在する文化財について、「指定」、「未指定」に関わらず幅広く捉え、的確に把握し、文化財周辺の環境まで含めた総合的な保存活用方針を定めてまいります。

 

 具体的には、これまでの調査成果をはじめ、長年、市文化財調査員の方々が調査した成果をデータ化するなど、今後の保存並びに活用に繋げていきたいと考えています。

 

○三つ目は「日本遺産」の認定に向けた取り組みであります。

 

 昨年、国に申請しました、千曲川左岸「さらしなの里」一帯の「日本遺産」への認定については、残念ながら認定に至らなかったことから、本年1月末に、改めて、日本遺産への認定申請を行ったところであります。

 

 今回も、古代から姨捨山の名月と和歌などに詠われてきた「月」をテーマとして申請しましたので、今年こそ、認定されるよう願ってやまないところであります。

 

 

 第6は、「新庁舎等の建設」であります。

 

 「新庁舎と新更埴体育館」の建設工事については、旧体育館の解体がすべて終了しました。今後のスケジュールとしては、新体育館が9月にオープンするほか、新庁舎は平成30年度内の完成を目標として、工事が進められる予定であります。

 

 本事業は、耐震化に問題のあった市庁舎と更埴体育館を建て替える工事であるほか、合併時からの分庁舎を統合し、行政窓口の統一や防災等の機能の充実とともに、行政コストの低減を図るための事業として進めてまいりました。

 

 新庁舎は「統合庁舎」として、まさに合併後15年の節目を迎える「新市千曲市」の一体化の象徴になればと考えており、より質の高い行政サービスを市民皆様に提供することができる施設となるよう万全を期してまいります。

 

 

 第7は、「市民と共に歩む市政」であります。

 

 「市民と共にまちを創る」取り組みや、「市民と行政の協働」の取り組みは、それぞれがだいぶ定着してきました。多くの市民の皆様が様々な形でまちづくりに関わっていただいていることは、大変心強く、感謝を申し上げたいと存じます。

 

 今後とも、しっかりと市民と行政の情報の共有化を図り、「千曲市協働事業提案制度」をはじめとする「協働のまちづくり」を市民と共に推進してまいります。

 

 多様な主体、多様な市民による様々な取組みの継続と定着は、千曲市を愛する「千曲人(ちくまびと)」づくりにも繋がり、市民による市民のためのまちづくりが一層進むことで「元気な千曲市」、「活力のある千曲市」の創生に大きく貢献していくものと期待をしています。

 

 

 第8は、「財政運営と行政改革」であります。

 

 財政運営については、昨年9月「千曲市の財政と今後の取り組み」について公表。人口減少が進む中で、財政運営は難しいかじ取りになることは、ご承知のとおりであります。

 

 千曲市は合併して15年。この間、有利な起債である「合併特例債」の活用により、様々な事業を実施してまいりました。15年目の平成30年度は、合併の総仕上げとして、耐震化に問題のあった市庁舎、戸倉上山田中学校の改築など大規模事業が完成する見込みであり、予算規模も3137千万円と過去最大となりました。

 

 今後の財政は、こうした大型事業の影響もあり、起債(借金)全体の規模は平成30年度末で320億円となる予定であり、後年度の公債費の増大も予想されます。

 

 しかしながら、起債総額の320億円の内訳では、「合併特例債」のように「元利償還額の70%」が後年度に交付税措置される制度や、「臨時財政対策債」のように「元利償還額の100%」が交付税措置される制度など、いわゆる有利な起債(借金)を多く活用していることから、起債総額320億円の約79%に当たる250億円程度が国から補てんされます。残りの70億円弱は市が返済する額となりますが、他の市と比較しても決して大きな額とは言えません。

 

 一方、人口減少時代を見据えたとき、今後の財政運営は厳しさも見込まれることから、行政改革は避けて通れません。このため、「第4次行政改革大綱」では、平成22年度から平成31年度までに9億円を削減する特別対策プランを策定。平成28年度までに7億円程度の削減を実施いたしました。

 

 今後は、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の統廃合を進めるほか、事務事業の改善や歳出改革に引き続き取り組み、平成31年度末までの目標である約2億円の削減に取り組んでまいります。

 

 

【平成30年度主要施策】

 

 次に、主要な施策と事業の概要について、総合計画の体系に沿って申し上げます。

 

 

 第1は、『千曲の魅力で創生する賑(にぎ)わいと活力あるまち』であります。

 

◆「広域的な道路網の整備」では、

 

・「国道18号バイパス」は、「稲荷山から篠ノ井塩崎間」の用地取得が概ね完了し、(仮称)稲荷山トンネルの掘削工事が開始されます。今後も事業区間の早期完成と、八幡から力石までの未事業化区間の早期事業化を国に強く働きかけてまいります。

 

・「姨捨スマートインターチェンジ」については、フル規格化に向けた全体構想に基づき、段階的整備として、まずは24時間化に向けて関係機関と協議を進めてまいります。

 

・「杭瀬下交差点の改良」については、国と協力して用地取得を進めてまいります。

 

・県道整備では、都市計画道路「若宮線」の早期事業化をはじめ、「姨捨停車場線」の八幡工業団地上部の交差点改良、「長野上田線」三本木地区の歩道整備、「内川姨捨停車場線」の一本松踏切西側の拡幅工事、「大町麻績インター千曲線」扇平地区の道路改良の早期完成を県に働きかけてまいります。また、「森篠ノ井線」の延伸計画については、今後の整備方針について、県や地元の皆様と協議してまいります。

 

・市道では、都市計画道路「千曲線」について、平成30年度には鋳物師屋寂蒔線が開通できるよう努めてまいります。

 

 

◆「都市計画」では、

 

・市の都市計画に関する基本的な方針を定めた「都市計画マスタープラン」を見直します。見直しにあたっては、市の最上位計画である第二次総合計画や第二次国土利用計画(千曲市計画)、立地適正化計画、中心市街地活性化基本計画などと整合を図りながら進めてまいります。

 

 

◆「地域公共交通政策」では、

 

・新庁舎の完成を機に、持続可能な公共交通体系の確保を目指し、平成30年度に「千曲市公共交通網形成計画」を策定します。

 

・新幹線新駅誘致に「いったん区切りをつけた」ことで、新駅の可能性が当面なくなったことから、新幹線利用者の利便性を高めるため、「新幹線」と「しなの鉄道」との接続性を高めることをはじめ、市内の「しなの鉄道主要駅」でJR乗車券等が購入できるよう、JRやしなの鉄道に働きかけてまいります。

 

 

◆「しなの鉄道『戸倉駅』のバリアフリー化」では、

 

・戸倉駅へのエレベーター設置については、平成30年度にも基本となる調査を進める方向で、しなの鉄道と協議をしてまいります。

 

・また、戸倉上山田温泉の下車駅である戸倉駅周辺の賑わいの確保や活性化策についても、地域の皆様と検討組織を立ち上げ、全体の構想をまとめていきたいと考えています。

 

 

◆「産業のイノベーションによる活性化」では、

 

・千曲市産業支援センターでは、「ものづくり千曲プラネット」など既存の同業種間のネットワークを先例として、平成30年度は、新たに、産業関連の情報交換を通じて、異業種間の連携についても研究してまいります。

 

・産学官連携では、信州大学工学部による「ものづくり講演会」をはじめ、新規開学となる長野県立大学など、協定する大学との連携を図り、新技術や新製品の開発、新産業の創出を支援してまいります。

 

 

◆「林業等の振興」では、

 

・国土調査事業では、磯部地区を中心に約19haの調査を実施してまいります。

 

・松くい虫防除対策事業では、伐倒駆除や補助事業を活用した私有林の更新伐を促進するほか、樹種転換への支援や松くい虫防除に対する費用の一部を補助してまいります。

 

・有害鳥獣対策では、野生鳥獣の人里への出没や農作物への被害が増加していることから、猟友会と連携し、有害鳥獣の捕獲及び個体数調整を進めてまいります。

 

・平成288月の火災で焼失した大池総合案内所については、大池市民の森における拠点として再整備してまいります。

 

 

◆「観光事業の推進」では、

 

・超豪華寝台列車「トランスイート四季島」が引き続き『姨捨駅』に停車することから、県やJR東日本、市民ボランティアとの連携を更に深め、姨捨の棚田をはじめとする市内の様々な観光資源等を全国にPRしてまいります。

 

・インバウンドでは、長野県が東南アジア諸国、特にタイに向けた誘客プロモーションの強化に乗り出していることから、県と連携した取り組みを展開し、様々な観光情報を発信してまいります。

 

・また、台湾からの誘客についても引き続き「台湾旅行会社」への商談会等を開催するなど市のPRに努め、更なる誘客を図ってまいります。

 

 

◆「シティ・プロモーションの推進」では、

 

・千曲市キャラクター「あん姫」のほか、市の観光大使である「信州ブレイブウォリアーズ」や「Tommy Cho(トミー チョウ)」さんにお願いし、全国に向けて市の認知度の向上を図るとともに、イベントの開催やメディアを活用したシティプロモーションを行い、交流人口の拡大に繋げてまいります。

 

・また、映画やドラマの撮影支援を通じたロケツーリズムの推進に官民一体で取り組んでまいります。

 

 

◆「2020年東京オリンピック・パラリンピックのホストタウン誘致」では、

 

・千曲市では、交流人口の増加や地域の活性化、観光振興に資する観点から、オリンピック競技大会参加国との人的、経済的、文化的な相互交流を図るため、旧上山田町時代から交流が続くハンガリーの卓球選手団を「ホストタウン」として受け入れられるよう、ハンガリー大使館の「パラノビチ・ノルバート大使」を通じて話し合いを進めており、平成29年度中にも一定の方向が出るのではないかと期待しています。

 

 

◆「安定した雇用の創出」では、

 

・ハローワーク篠ノ井管内における昨年12月の有効求人倍率は、1.81倍で、雇用情勢は堅調に推移しています。引き続き「就労支援講座」や「就労相談」の開催など、労働力確保対策に取り組んでまいります。

 

・また、無料就職情報サイト「おしごとながの」による企業情報の発信をはじめ、東京圏からのUJIターン就職を促進する「東京圏合同就職面接会」や「地元企業見学ツアー」のほか、「更埴地域就職面接会」などの開催を通じて、企業と求職者のマッチングの機会を創出してまいります。

 

・また、政府が推進する「働き方改革」や「イクボス、イクメン」に向けた取り組みなどについても積極的に推進してまいります。

 

 

◆「移住定住の促進」では、

 

・平成30年度からUJIターン者向けの「奨学金償還優遇制度事業」を開始します。この事業は、千曲市や他市町村、さらには日本学生支援機構等の奨学金を借り、償還が終わっていない人が千曲市に移住・定住した場合に、年間償還額の25%(限度額あり)を助成するもので、若い世代の「経済的支援策」及び「移住・定住促進策」として進めてまいります。

 

・また、引き続き、長野地域連携中枢都市圏などが行う、主に東京での「移住相談会」や「移住セミナー」に参加し、移住を検討している首都圏などの方々に千曲市の魅力を紹介してまいります。

 

・このほか、空き家、子育て、仕事など、移住定住に係わる情報サイトの充実を図ります。

 

 

◆「空き家対策の推進」では、

 

・市民の安心・安全な居住環境の形成に向けて重要な課題となっている空き家対策を推進するため、平成29年度に「空き家等対策計画」を策定しました。計画では、(1)管理不全な空き家等の発生抑制、(2)空き家等の適正管理、(3)空き家等の有効活用の3本を柱としています。今後は、市民、区・自治会、事業者、NPO等と連携し、地域の実情を踏まえながら対応策を講じてまいります。

 

 

 第2は、『安心して子育てができ、のびやかに育ち学べるまち』であります。

 

◆「教育振興基本計画」では、

 

・教育分野の最上位計画である「教育振興基本計画」の第一次計画が平成30年度で満了することから、平成31年度を初年度とする「第二次千曲市教育振興基本計画(10年間)」の策定に着手します。

 

 

◆「学校教育」では、

 

・昨年、「新小学校学習指導要領」が改定され、34年生から「聞くこと」「話すこと」を中心に外国語に慣れ親しみ、外国語学習への動機づけを高める「外国語活動」が盛り込まれたほか、56年生には、「読むこと」や「書くこと」などを加えた「外国語科」が導入されることになりました。今後は、平成3031年度の移行期を経て、平成32年度から全面実施となります。

 

市としては、外国語教育の導入に伴い、平成30年度から外国語指導助手(ALT)を新たに2名増員し、外国語教育の充実を図ってまいります。

 

・学校における「部活と教員の働き方」については、中学校の「部活動への指導員」の導入などについて、校長会を中心に調査・研究を進めてまいります。

 

・施設整備では「戸倉上山田中学校の改築事業」を進めており、校舎、体育館と武道場については、平成308月の完成を目指してまいります。

 

 

◆「高校再編」では、

 

・「屋代南高校」については、県の「高校改革」により、再編対象にあげられていますが、北信に必要とされている「多部制単位制高校」に転換し、多様な学びを提供できる高校として存続・発展できるよう、引き続き、市教育委員会へ専任の職員を配置し、県へ働きかけてまいります。

 

 

◆「生涯学習等の推進」では、

 

・市民が主体的に交流・活動できる公民館活動などの事業を活性化させるため、平成31年度を初年度とする「第二次生涯学習基本計画」の策定に着手します。

 

・図書館事業では、平成301月から長野市及び坂城町との図書館資料の広域利用が開始されたことから、更なる利用の拡大に努めてまいります。

 

 

◆「スポーツの振興」では、

 

・建設中の新更埴体育館については、平成30年9月の供用開始を予定しており、97日~9日にかけて、信州ブレイブウォリアーズも出場するプロバスケットボール「B.LEAGUEアーリーカップ」が開催されるほか、市内のママさんチームとオリンピックの出場経験者が親善試合をする「宝くじスポーツフェア・はつらつママさんバレーボール大会」も予定されており、多くの皆様に新体育館に足を運んでいただきたいと思います。

 

 

◆「男女共同参画」では、

 

・「第3次千曲市男女共同参画計画」に基づき、千曲市の審議会、委員会等の委員に占める女性の参画率40%を目標に取り組むほか、男女がお互いにその人権を尊重しながら、あらゆる分野で性別に関係なく、個性と能力を十分発揮できる「男女共同参画社会」を引き続き目指してまいります。

 

 

◆「人権・平和」では、

 

・平和・安全都市宣言を採択した千曲市としては、平和の推進を引き続きアピールするとともに、国際交流事業などを通じ、多文化共生社会の実現を目指してまいります。

 

・また、平成31年度を初年度とする「第3次人権とくらしに関する総合計画」の策定に着手するほか、差別やいじめ、虐待などの防止に努めてまいります。特に、平成30年度からは、DVなどの女性相談の充実を図るため、関係部署に「女性相談員」を配置いたします。

 

 第3は、『支え合い、だれもが健康で活躍するまち』であります。

 

 

◆「健康づくり」では、

 

・平均寿命のうち、日常生活に制限されることなく生活できる期間である「健康寿命」は、国民健康保険のデータでは、千曲市の場合、男性64.8歳、女性67.4歳とされており、中でも健康寿命の延伸には、糖尿病等の「生活習慣病対策」が極めて重要とされています。

 

・このため、市としては、市民の健康保持と医療費の抑制に向け、特定健診の受診率について、平成28年度の42.5%から市の目標である60%を目指して、医師会や歯科医師会、薬剤師会の協力を得て、様々な「健康サポート連携事業」に取り組んでまいります。

 

・また、千曲市では、特定健診受診者のうち、保健指導が必要な方への保健師等による訪問指導率が92.6%と県内トップクラスであり、引き続き、保健指導の充実を図ってまいります。

 

・このほか、昨年度閣議決定された「自殺総合対策大綱」に基づき、「誰もが自殺に追い込まれることのない社会」の実現を目指し「千曲市自殺対策計画(仮称)」の策定にも着手してまいります。

 

 

◆「障がい者福祉」では、

 

・平成30年度を初年度とする「障害者計画」「障害福祉計画」「障害児福祉計画」を策定しましたので、各計画に盛り込みました施策、事業について計画的に進めながら、児童の発達支援を核とした、障がい児支援事業を推進するとともに、千曲市独自で運営している発達支援施設(母子通園施設)「あすなろ園」の充実に努めてまいります。

 

・また、建設が予定されている、民間の「児童発達支援施設」の建設を支援するため、建設費の一部を市単独で補助するなど、児童福祉の充実を図ってまいります。

 

 

◆「国民健康保険関係」では、

 

・平成30年度から「国民健康保険の運営」が県域化され、県が財政運営の責任主体となることから、制度の着実な移行に努めてまいります。また、市の担う事務としては、加入手続き(資格管理)及び保険証の発行、国保税率の決定、賦課徴収などであり、きめ細かな事務については、今までどおり実施してまいります。

 

・市民の皆様には、引き続き安心して医療を受けられるよう、市国保会計の健全運営及び特定健診・保健指導などの保健事業の推進を図ることで、市民の健康保持と医療費の抑制に努めてまいります。

 

 

◆「生活支援」では、

 

・生活困窮者等の日常生活や就労などの自立に向け、「千曲市生活就労支援センター(まいさぽ千曲)」の充実を図ってまいります。

 

・また、子どもの貧困対策では、「学習支援員」が家庭を訪問して学習指導をする「子ども学習支援事業」のほか、市との協働事業による「ひとり親家庭」への「学習支援と子ども食堂」についても充実を図ってまいります。

 

 第4は、『災害に強く、安全で心穏やかに暮らせるまち』であります。

 

 

◆「防災対策」では、

 

・災害時における市民への情報伝達をより確実なものにするため、平成30年度から親局と屋外子局で構成する「デジタル防災行政無線」について、市内に115か所ある屋外放送局のうち、約半数の子局の無線化と無停電化を平成32年度の完成を目指して、計画的に進めてまいります。

 

・「沢山川」については、引き続き、堤防天端の舗装による強化や特殊堤等の整備を県に要望するほか、国には、千曲川と沢山川との合流部一帯の堆積土の定期的な観測と必要に応じた堆積土の除去を要望してまいります。 

 

・また、沢山川への雨水の総流入量を低減するため、上流部の雨水を千曲川に放流する「東林坊川」の整備を引き続き進めてまいります。

 

・「更級川」については、県に未整備箇所の早期事業化を要望するとともに、「日影沢川」については、整備箇所の早期完成を目指します。

 

 

◆「公園・緑地」では、

 

・「地域づくり計画」に基づき、地元と協働で進めてきました「上徳間公園」の造成工事に着手いたします。

 

・戸倉体育館周辺一帯から白鳥園敷地一帯を千曲川河川敷で連結する「総合運動公園構想」については、国土交通省所管の「かわまちづくり事業」を含め、事業化に向けた調査を進めてまいります。

 

 

◆「上下水道の整備」では、

 

・上水道については、水源確保と安定供給等を目指して、長野県企業局との広域化について研究を進めてまいりましたが、平成30年度からは、職員1名を長野県企業局に派遣し、企業局と共に研究を進めてまいります。

 

・下水道については、整備率が94.8%と高まってきていますが、接続率(水洗化率)89.9%となっており、引き続き、接続率の向上に努めてまいります。

 

 

◆「長野広域連合が計画しているごみ焼却施設」では、

 

・昨年3月、建設候補地の地元屋代第5区及び屋代第6区と、事業主体である長野広域連合、千曲市との三者による施設建設に係る基本協定が締結されたことから、建設予定地の地権者の皆様との用地交渉や都市計画決定の手続きを進めたほか、広域連合による施設建設事業者等の選定が行われました。

 

・今後は、長野広域連合とともに、用地取得の早期完了と必要な周辺道路等の整備、施設建設工事の着手など、平成33年度の施設稼働を目指して事業を進めてまいります。

 

 第5は、『輝かしい歴史文化や美しい自然を未来に継ぐまち』であります。

 

 

◆「景観形成」では、

 

・稲荷山の重要伝統的建造物群保存地区や重要文化的景観「姨捨の棚田」、「あんずの里」など、歴史的面影をとどめる街並み景観や農村景観の保守・保全を図るため、平成21年度に策定した「景観計画」の見直しを行います。

 

・また、稲荷山の「重要伝統的建造物群保存地区」の街並みの整備を図るため、建造物の修理・修景に対する助成をするとともに、重伝建地域全体の景観形成のための「住民協定」など、地域全体で景観を守っていく仕組みについても検討してまいります。

 

 

 第6は『協働で創る、市民主体の住みたい 住み続けたいまち』であります。

 

◆「ふるさと千曲市応援寄付金(ふるさと納税)」では、

 

・「ふるさと納税」による寄付金額については、平成29年度の決算見込みベースでは、寄付金総額が21千万円(H2817,676万円)を超える見込みであります。引き続き、様々なアイディアを出しながら、魅力ある千曲市を発信することで、応援寄付額が増えるよう努めてまいります。

 

 

◆最後に「マイナンバー制度」であります

 

・「マイナンバーカード」については、千曲市では、住民票の写し等証明書の「コンビニ交付サービス」を昨年1月に開始しましたが、千曲市のカードの普及率は10.2%と低い状況であることから、引き続きカードの普及率向上に努めてまいります。

 

 

【むすび】

 

 以上、平成30年度施政方針の一端を申し上げましたが、平成30年度予算は、合併後15年という「節目の年」、「合併の総仕上げの年」として、過去にない300億円を超える大型予算を編成しました。

 

 予算規模が増えた原因は、「合併特例債」を活用して、耐震化に問題のあった「庁舎や更埴体育館、戸倉上山田中学校の改築」の事業の全てが平成30年度に完成するためであり、これらの整備により、公共施設の耐震化率は90%に達するなど、地域の安心安全の確保が大きく進むことになります。

 

 こうした大規模で緊急性の高いハード事業は平成30年度でほぼ終了することから、今後は、少子高齢・人口減少社会に対応する財政運営が求められ、「人に対する投資」が財政の主眼に置かれてくるものと認識しています。

 

 私の市政経営の基本は、初当選時代から「満足度の高い千曲市」の実現でありますので、そうした点に配慮しつつ、本市の将来を見据えた市政経営をしてまいる所存であります。

 

 議員各位をはじめ、市民の皆様のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、平成30年度の施政方針とさせていただきます。

 

 

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