諸情勢の報告(令和元年12月議会)

2019年12月5日

令和元年12月3日

令和元年第4回(12月)  千曲市議会定例会

 

諸情勢の報告

 

◆初めに「台風19号の概要について」であります。

 

1012日に上陸した超大型の台風19号は、当市も含め東日本を中心とした記録的な大雨により、各地に甚大な被害をもたらしました。

 

千曲川流域市町村には、県内で初めてとなる「大雨特別警報」が発表され、杭瀬下水位観測所での千曲川の最高水位は、氾濫危険水位の5mを1.4mも上回る6.4mに達しました。

 

これは、伊勢湾台風の1か月前の昭和348月に、千曲川に戦後最大の被害をもたらした台風7号で記録した5.2mをも大きく上回っており、国土交通省が統計を取り始めてから過去最高の水位となりました。

 

千曲市では、雨宮地区で千曲川堤防からの越水が初めて確認されたほか、埴生・屋代地区では、平和橋と千曲橋の間の霞堤部分から千曲川の水が逆流し、約220ヘクタールが浸水。加えて千曲川の増水による支流の内水氾濫により、市内各所で住宅や自動車が浸水被害を受けたほか、商工業や農業にも大きな被害を及ぼしました。

 

また、戸倉上山田地区では千曲坂城消防本部での観測で、最大瞬間風速が35.8mという強風により、住宅やビニールハウスなどの損壊等の被害も発生しました。

 

さらに、公共施設についても更埴文化会館や保育園、河川敷内の公園やスポーツ施設をはじめ、道路、河川、林道、遊歩道、農業用施設、市営住宅、福祉施設、文化財など、200件を超える施設が被害を受けました。

 

一方、11月末時点での罹災証明書に基づく住宅の被害認定状況については次のとおりであります。

 

「全壊」の風害が1世帯、

 

「大規模半壊」の床上浸水が3世帯、

 

「半壊」の床上浸水が333世帯、

 

「一部損壊・準半壊」の床上浸水が47世帯、

 

「一部損壊・10%未満」の床上浸水が37世帯、

 

「一部損壊・10%未満」の床下浸水が407世帯、

 

「一部損壊・10%未満」の風害が46世帯で、合計874世帯となっています。

 

なお、市全域では現在のところ、ただ今申し上げた状況を含めた総件数を大きくまとめますと、床上浸水が433世帯、床下浸水は推定ではありますが1,197世帯、風害は47世帯で、合計1,677世帯となっています。

 

こうした被災状況を踏まえ、政府は台風19号被害に対し、激甚災害、特定非常災害(台風としては初)、そして、大規模災害復興法の非常災害の適用を行ない、千曲市を含む災害救助法適用自治体は(111日現在で)14都県の390市区町村であり、東日本大震災を超えて過去最大となっています。 

 

 

◆次に「台風通過時の状況について」であります。

 

大型で非常に強い台風19号が、1012日の夕方から夜遅くにかけて長野県に最接近するとの情報を受け、市では11日の午前9時に「災害警戒本部」を設置して本部会議を開催し、各部署において台風被害に備えることを確認しました。

 

12日の午前1056分には「大雨・洪水警報」が発表されたため、1120分頃、「災害対策本部」を設置。本部会議を経て1号配備体制を敷き職員約150人を招集しました。

 

その後、千曲川の急激な水位上昇がみられたことから、避難所設置準備を開始し、午後340分、市内全域に警戒レベル3に相当する「避難準備情報」を発令。屋代中学校、旧戸倉庁舎、総合観光会館など6か所に避難所を開設しました。

 

午後352分に八幡の前川原団地に警戒レベル4に相当する「避難勧告」を発令し、午後5時過ぎには千曲川の水位が4mを超える状況となってきたため、職員約350人体制となる2号配備に切り替え、午後557分に警戒レベル4相当の「避難指示」を市内全域に発令し、新たに15か所の避難所を開設しました。

 

午後610分には県内で初となる「大雨特別警報」(警戒レベル5相当)が長野地方気象台から発表され、その頃には、千曲川の水位は「氾濫危険水位」の5mを超える状況となっていました。

 

午後730分頃に、市営住宅鋳物師屋団地近くの「新田南」交差点付近での道路冠水情報が、745分頃にも「中」交差点から平和橋方面の県道が冠水しているとの情報があり、その後も上山田文化会館から温泉3丁目の道路など、市内各所で道路が冠水したとの情報が寄せられたため、その都度現場を確認し、順次通行規制を指示しました。

 

午後950分には杭瀬下水位観測所の水位が6.4mと過去最高となり、午後1025分頃、雨宮・土口・生萱付近での堤防越水情報があったことから、市では同地区に「警戒レベル5の災害発生情報」を発令し、「周辺の方は命を守る行動をとってください」との呼びかけを緊急速報メールや屋外告知放送で行いました。

 

また、避難所の状況は午後11時の時点で27か所設置され、約4,840人が避難されました。

 

1013日の午前0時過ぎに、雨宮で千曲川堤防の越水を確認。1時頃に杭瀬下3丁目などで床上浸水の情報がありました。また、122分から約2時間、屋代変電所の浸水により1,610戸で停電が発生しました。

 

午前3時には千曲川の水位は氾濫危険水位を下回る4.95mとなりましたが、避難所の一つである更埴文化会館が床上浸水し、機械室のある地下が水没、揚水ポンプの損傷により水道やトイレが使用できなくなることが予想されたため、午前430分頃から避難者には旧更埴庁舎へバスで移動をしていただきました。

 

午前7時には水位が3.59mまで下がり、740分に市内全域に発令していた避難勧告、避難指示を解除しました。

 

以上が、台風通過時の大まかな状況であります。

 

  

◆次に「被災後の対応について」であります。

 

○初めに「災害廃棄物の処理について」であります。

 

被災された皆様が日常生活に戻るにあたり、まず支障となるのが浸水等により使えなくなった家具や家電、濡れた畳などの様々な災害廃棄物です。

 

市では1014日から、大量に発生した災害廃棄物を緊急的に収集・保管するための仮置き場を設置するとともに、浸水により車が使えなくなった方や、高齢者など自分で搬出できない方々の災害廃棄物については、市職員が軽トラックなどで個別に収集運搬を行いました。

 

また、ごみ袋の配布や、被災地域の身近な場所に出された災害廃棄物については、市内一般廃棄物収集運搬業者に委託するとともに、伊那市・駒ケ根市・宮田村、更には全国清掃事業連合会の応援・協力をいただき、119日までに旧名月荘跡地と戸倉体育館グラウンドの仮置き場にすべて搬入いたしました。

 

今回の災害による廃棄物は、約3,000トンとみられ大量であったことから、葛尾組合施設での処理もままならず、当初は処理に1年以上かかると予想しましたが、環境省及び県の調整により、三重県・愛知県の民間業者の支援を受けることができたため、仮置き場に集められた災害廃棄物の搬出は、現在順調に進んでおり、今週中には、概ね片付く見込みであります。

 

なお、今後は全壊・半壊を対象として市が費用を負担し、所有者に代わって被災住宅を解体・撤去する「公費解体」が始まることから、解体に伴う新たな災害廃棄物の発生が見込まれています。

  

 

○次に「ボランティア等人的支援について」であります。

 

千曲市社会福祉協議会が1015日に「千曲市社協災害ボランティアセンター」を旧更埴保健センター1階に開設し、市民の皆様をはじめ、遠くは熊本・愛媛・大阪など、県内外から多くの皆様に参加をいただきました。

 

これまでに延べ560件余の要支援者のニーズに対して、延べ1,200名を超えるボランティアの皆様のご協力をいただき、災害ごみの片づけや家屋の清掃、泥の撤去などを行っていただきました。被災者の気持ちに寄り添った活動を進めていただきましたことに、心から感謝を申し上げたいと存じます。

 

要支援者のニーズは、ボランティアセンター開設から1週間のニーズが全体の約7割でありましたが、それ以降はニーズも徐々に落ちついた状態となったため、118日にセンターを閉鎖しました。

 

なお、市社会福祉協議会では現在もボランティアと要支援者の相談受付を継続しています。

 

さらに、多くの自治体等から罹災証明書発行に係る現地調査などの支援をいただきました。「総務省被災市区町村応援職員確保システム」による対口支援により兵庫県から、また、姉妹都市や中信地区など全部で18の自治体から職員を派遣いただきました。

 

また、長野県行政書士会からも受付業務などの応援をいただき、重ねて感謝を申し上げる次第であります。

 

 

○次に「要支援者の確認、救援活動について」であります。

 

被災直後の1013日から14日にかけて、千曲市消防団にお願いし、被災地区における一人暮らし高齢者宅を訪問。救援の要請などについて確認作業を行ったほか、ボランティアや罹災証明の現地調査員にも、その都度、救援の必要性等について聞き取りをお願いしてきました。

 

また、被災地区の区長・自治会長や民生児童委員の皆様にも、見守り等についてお願いをしてまいりましたが、その結果、地域包括支援センターに114件の相談があり、必要に応じてケアマネージャーにつないだり、保健師などが訪問したりするなど、要支援者の安否確認や安全確保に努めてきたところであります。

 

 

○次に「感染症予防、保健衛生活動について」であります。

 

災害時は感染症の拡大リスクが高まるため、感染症予防のための家庭での消毒方法等について、ホームページ、フェイスブックやツイッターなどのSNSをはじめ、報道等により周知を図るとともに、1015日からは希望する被災世帯に対し、逆性石鹸消毒液を配布。16日からは、区・自治会を通じて消石灰を配布しました。

 

なお、配布した量は全体で逆性石鹸消毒液が原液で約90リットル、消石灰が約15トンであります。

 

また、汲み取り式便槽で浸水により汚物が流失した45世帯に対し、職員12名で3日間の消毒活動を実施し、感染症の発生予防に努めたところであります。

 

さらに、千曲医師会など関係機関と連携し、発災直後から被災者や市民に対し健康相談を行うとともに、1012日の避難所開設時には、11か所の避難所に保健師を配置して、避難者の健康状態の把握に努めました。特に1013日から119日まで約1か月間設置された旧更埴保健センター避難所では、保健師が血圧測定や健康相談を実施し、希望者に対してインフルエンザワクチンの接種も行ったところであります。

 

また、102425日には、被災地域の公民館等において、保健師や栄養士による巡回健康相談を、特定妊婦や産後ケア事業利用者に対しては電話や訪問による健康相談を実施いたしました。

 

 

◆次に「被災した公共施設について」であります。

 

○初めに「保育園と子育て支援センター」であります。

 

床上浸水した杭瀬下保育園については、応急工事として壁・床・汚泥等を撤去し、乾燥・消毒を行い、今後予定されている国の災害査定を受けた後、復旧工事に着手してまいります。現在、屋代保育園と稲荷山保育園に分散して保育を行っていますが、保育園が再開するまでには相当の期間が予想されることから、仮設園舎を建設し保育を提供していきたいと考えています。

 

また、床上1.5mほど浸水した雨宮保育園は、保育園西側の沢山川が越水したため浸水被害が極めて大きかったことや、あんず・雨宮統合保育園の開園を令和44月に予定していることなどから、現地での再開を断念し、当分の間、あんず保育園での合同保育を行うとともに、統合保育園の建設時期をできる限り早められるよう努めてまいりたいと考えています。

 

さらに、更埴子育て支援センターについては、現在、杭瀬下保育園と同様の応急工事を行っていますが、国の災害査定を受け、年度内には復旧工事を完了できるよう努めてまいります。なお、復旧が終わるまでの間の平日は、ことぶきアリーナ千曲の柔道場において「出張子育てひろば」を開催することにしています。

 

  

○次に「更埴文化会館」であります。

 

地下の水没により軽運動室は使用不能となり、機械室の空調設備やポンプ類、防火設備やエレベーターが被害を受け、また、大ホールへの浸水により、舞台、舞台設備、客席、電気設備などにも被害が発生しました。

 

こうしたことから、水道、トイレ、冷暖房設備、舞台設備の一部等が使用できず、建物が一体となっている更埴図書館とともに長期間休館せざるを得ない状況となりました。

 

現在、被害のあった設備の点検と復旧にかかる費用の算出を進めておりますが、今後は建物本体、空調設備、電気設備などの設計に着手してまいります。

 

しかしながら、被害規模が大きく、復旧には一年、あるいはそれ以上の期間が必要になるのではないかと考えています。

 

なお、更埴図書館については、消防設備等の修繕工事を行い、年度内の早い時期に開館できるよう努めてまいります。

 

  

○次に「河川敷内の公園、スポーツ施設等」であります。

 

千曲川の河川敷内に設置されている都市公園をはじめスポーツ施設などが壊滅的な被害を受けました。

 

上山田中央緑地(萬葉の里スポーツエリア)のほか、戸倉千曲川緑地公園、大西緑地公園、平和橋緑地、千曲橋緑地、雨宮緑地など、すべての施設が原形を全く留めない無残な状況であります。

 

多くの市民が利用し、観光誘客にも重要な役割を果たしている公園、スポーツ施設ですので、一日も早い復旧が望まれるところですが、河川内公園の被災面積は約43haと広大であり、今後、国の災害査定を受け、河川管理者である国の護岸工事が終了したのち、渇水期を中心に整備を行う必要があるため、復旧には相当の期間を要する見込みであります。

 

  

◆次に「復興計画について」であります。

 

市では、緊急的な対応が一区切りつたことから、1112日をもって災害対策本部を解散し、翌13日に災害復興本部を設置しました。

 

被災した市民の皆様に一刻も早く日常の生活を取り戻していただくため、災害復興本部を中心に早急に「千曲市復興計画」の策定に取り組みます。

 

この復興計画は、復興に向けた目指すべき理念を定めるとともに、効果的かつ迅速な復旧と、将来を見据えた創造的な復興を目標に掲げてまいります。

 

今後、国、県をはじめとして災害応援協定を締結している自治体、企業、団体等と連携するとともに、復興計画策定委員会を立ち上げ、「災害に強い持続可能な千曲市」をつくるための計画を策定してまいりたいと考えています。

 

  

◆次に「災害義援金等について」であります。

 

台風第19号災害に伴い、全国各地から心温まる義援金、支援金が寄せられています。なお、集計は11月末時点でのものであります。

 

「千曲市災害義援金」は1023日より受付を開始し、2,6858,121円の義援金が寄せられています。

 

また、「ふるさと千曲市応援寄付金」における災害支援寄付を1014日から募集を開始し、3,9002,071円の寄付金が寄せられています。

 

さらに、1025日には姉妹都市の宇和島市から「ふるさと納税」の代理寄付の申し出があり、同日25日から宇和島市において「千曲市災害支援寄付」を受け付けていただいており、寄付金は1,0129円となっており、義援金・寄付金を合わせた総額は、7,598201円であります。

 

また、被災直後から飲料水・タオル・毛布など、全国各地の個人、企業、自治体などから、211件の支援物資が寄せられております。支援物資は、被災直後から被災者の皆様や千曲市社会福祉協議会を通じて災害ボランティアの皆様に配布をいたしました。

 

市民の皆様をはじめ、姉妹都市の皆様、県内外の企業や個人、各種イベント会場等での募金など、心温まるご厚意を賜り、心より感謝を申し上げますとともに、引き続き、復旧・復興に向け、ご支援とご協力を賜りますようお願いをしてまいります。

 

  

◆次に「台風19号関連予算について」であります。

 

今議会の専決第7号として報告させていただいている案件は、台風19号による災害対応の復旧及び被災者の支援等に要する応急的な経費、76,200万円であります。

 

また、本格的な復旧事業に必要な予算については今議会に追加提案させていただく予定であり、現在、内容を精査しておりますが、50億円規模の過去最大の補正予算になると思われます。

 

なお、事業内容、工期等の関係から、令和2年度の当初予算に計上することが適切なものは、新年度予算に計上したいと考えております。

 

台風19号災害については以上でありますが、市はこれまでも被災者最優先で対応してまいりましたが、今後も千曲市災害復興本部を中心に、被災者の生活再建支援や商工業、農業の再建に向けて必要な対策を講じ、一日も早い再建を目指してまいります。

 

なお、台風被害により多くの公共施設が使用できない状況となり、当面の間、市民の皆様には大変なご不便をおかけすることとなりますが、復旧、復興に全力で取り組んでまいりますので、ご理解をいただきたく存じます。

 

  

次に9月市議会定例会以降の主な「諸情勢」について2点申し上げます。

 

◆初めに「国道18号坂城更埴バイパス第三工区(延伸)について」であります。

 

国道18号「坂城・更埴バイパス」の内、千曲市稲荷山から長野市篠ノ井塩崎までの延長2.6kmについては、平成3011月に稲荷山から塩崎間のトンネル174mが貫通し、現在は塩崎で埋蔵文化財調査が行われており、調査が完了した箇所では軟弱地盤改良工事を行っております。

 

本年度は、国の事業費として106,500万円が予算化されており、道路設計や埋蔵文化財調査、工事等を実施する予定と聞いております。

 

また、1115日には、長野市から東御市までの41町で構成する二つの国道18号バイパスの建設促進期成同盟会が合同で、赤羽国土交通大臣をはじめ、遠山財務副大臣や地元選出国会議員に、稲荷山・長野市塩崎間の事業完成時期の公表と、若宮・八幡間の早期事業着手について要望活動を実施いたしました。今後も引き続き、早期全線開通に向けて積極的に国に働きかけてまいります。

 

  

◆次に「国宝土偶展について」であります。

 

長野県立歴史館の開館25周年を記念した企画展の一つとして、1026日から1110日まで「国宝土偶展」が開催されました。国宝に指定されている縄文土偶5体すべてが一堂に会した企画展には、期間中15,000人を超える来場者があり、1030日の「千曲市の日」には、夜間の開催にもかかわらず700人余りの市民が訪れ、「(いにしえ)の文化財」に想いを巡らせていただいたことと思います。

 

また、後期の企画展として1123日から来年22日まで「中部高地の土偶展」が開催されています。

 

この企画展では、主に長野県・山梨県から出土した重要文化財に指定されている土偶など、200体を超える土偶が展示されています。

 

国宝土偶と違い、作られた時期や地域ごとに土偶の広がりを知ることができる企画展となっていますので、市民の皆様にも足をお運びいただければと思います。

  

 

以上、申し上げ、諸情勢の報告とさせていただきます。

 

なお、各議案に対する提案説明につきましては、私及び副市長から申し上げますので、よろしくお願いしたいと存じます。

 

以上であります。

 

  

 

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