○千曲市文化財保護条例

平成15年9月1日

条例第124号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 千曲市指定有形文化財(第4条―第19条)

第3章 千曲市指定無形文化財(第20条―第25条)

第4章 千曲市指定有形民俗文化財・千曲市指定無形民俗文化財(第26条―第30条)

第5章 千曲市指定史跡名勝天然記念物(第31条―第36条)

第6章 千曲市選定保存技術(第37条―第39条)

第7章 審議会(第40条―第45条)

第8章 補則(第46条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)及び文化財保護条例(昭和50年長野県条例第44号。以下「県条例」という。)の規定による指定を受けた文化財以外の文化財で、市の区域内に存するもののうち市にとって重要なものについて、その保存及び活用のため必要な措置を講じ、もって市民の文化の向上に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、「文化財」とは、次に掲げるものをいう。

(1) 建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で、市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している、土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)

(2) 演劇、音楽、工芸技術その他の無形の文化的所産で、市にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(以下「無形文化財」という。)

(3) 衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で市民の生活の推移の理解のために欠くことのできないもの(以下「民俗文化財」という。)

(4) 住居跡、古墳、都城跡、旧宅その他の遺跡で、市にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋りよう、峡谷、山岳、その他の名勝地で、市にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(生息地、繁殖地及び渡来地を含む。)、植物(自生地を含む。)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む。)で、市にとって学術上価値の高いもの(以下「記念物」という。)

(財産権の尊重及び他の公益との調整)

第3条 千曲市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、この条例の執行に当たっては、関係者の所有権その他の財産権を尊重するとともに、文化財の保護と他の公益との調整に留意しなければならない。

第2章 千曲市指定有形文化財

(指定)

第4条 教育委員会は、市の区域内に存する有形文化財(法第27条第1項の規定により重要文化財又は県条例第4条第1項の規定により長野県宝に指定されたものを除く。以下同じ。)のうち市にとって重要なものを千曲市指定有形文化財(以下「市指定有形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、指定しようとする有形文化財の所有者及び権限に基づく占有者(以下「所有者等」という。)の同意を得なければならない。ただし、所有者等が判明しない場合は、この限りでない。

3 教育委員会は、第1項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、千曲市文化財保護審議会に諮問しなければならない。

4 第1項の規定による指定は、その旨を告示するとともに、当該市指定有形文化財の所有者等に通知して行うものとする。

5 第1項の規定による指定は、前項の規定による告示があった日からその効力を生ずる。

6 教育委員会は、第1項の規定による指定をしたときは、当該市指定有形文化財の所有者等に指定書を交付しなければならない。

(解除)

第5条 教育委員会は、市指定有形文化財が市指定有形文化財としての価値を失ったとき、その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市指定有形文化財について、法第27条第1項の規定による重要文化財又は県条例第4条第1項の規定による長野県宝の指定があったときは、当該市指定有形文化財の指定は解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除については、前条第3項から第5項までの規定を、前項の規定による指定の解除については、同条第4項の規定を準用する。

4 第1項及び第2項の規定による指定の解除があったときは、所有者等は、速やかに、指定書を教育委員会に返付しなければならない。

(所有者等の管理義務及び管理責任者)

第6条 市指定有形文化財の所有者等は、この条例並びにこれに基づく教育委員会規則及び教育委員会の指示に従い、当該市指定有形文化財を管理しなければならない。

2 市指定有形文化財の所有者等は、特別の事情があるときは、適当な者を専ら自己に代わり当該市指定有形文化財の管理の責めに任ずべき者(以下「管理責任者」という。)を選任することができる。

3 前項の規定により管理責任者を選任したときは、市指定有形文化財の所有者は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。管理責任者を解任した場合も同様とする。

4 管理責任者は、第1項の規定を遵守しなければならない。

(所有者等の変更等)

第7条 市指定有形文化財の所有者等に変更があったときは、新たに所有者等となった者(以下「新所有者等」という。)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 市指定有形文化財の所有者等又は管理責任者は、その氏名若しくは名称又は住所を変更したときは、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(滅失、き損等)

第8条 市指定有形文化財の全部又は一部が滅失し、若しくはき損し、又はこれを亡失し、若しくは盗み取られたときは、所有者等(管理責任者がある場合はその者。以下次条において同じ。)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(所在の変更)

第9条 市指定有形文化財の所在の場所を変更しようとするときは、所有者等は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、教育委員会規則で定める場合には、この限りでない。

(管理又は修理に関する勧告)

第10条 教育委員会は、市指定有形文化財の管理が適当でないため当該市指定有形文化財が滅失し、き損し、又は盗み取られるおそれがあると認めるときは、所有者等又は管理責任者に対し、管理方法の改善、保存施設の設置その他管理に関し、必要な措置を執るべきことを勧告することができる。

2 教育委員会は、市指定有形文化財がき損している場合において、その保存のため必要があると認めるときは、所有者に対し、その修理について必要な勧告をすることができる。

3 前項の規定による勧告に基づいて行う措置又は修理のために要する費用は、予算の範囲内で市の負担とすることができる。

(経費の補助)

第11条 市は、市指定有形文化財の管理又は修理(以下「管理等」という。)につき、多額の経費を要し、所有者等がその負担に耐えない場合その他特別の事情がある場合には、その経費の全部又は一部を、予算の範囲内で補助することができる。

2 教育委員会は、前項の補助金を交付する場合には、その補助の条件として管理等に関し、必要とする事項を指示し、又は指揮・監督することができる。

(補助金等の返還等)

第12条 前条第1項の規定による補助金の交付を受ける所有者が、次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、当該補助金の全部若しくは一部を交付せず、又は当該所有者等に対し、既に交付された補助金の全部若しくは一部の返還を命ずることができる。

(1) 管理等に関し、この条例又は規則に違反したとき。

(2) 補助金の交付を受けた目的以外に使用したとき。

(3) 前条第2項の補助の条件に従わなかったとき。

(有償譲渡の場合の納付金)

第13条 市が修理又は管理に関し必要な措置(以下この条において「修理等」という。)につき第11条第1項の規定により補助金を交付し、又は第10条第3項の規定により費用を負担した市指定有形文化財のその当時における所有者又はその相続人、受遺者若しくは受贈者(以下この条において「所有者等」という。)は補助又は費用負担にかかわる修理等が行われた後、当該市指定有形文化財を有償で譲り渡した場合においては、当該補助金又は負担金の額の合計額から、当該修理等が行われた後、当該市指定有形文化財の修理等のため、自己の費した金額を控除して得た金額を市に納付しなければならない。

2 補助又は費用負担にかかわる修理等が行われた後、当該市指定有形文化財を市に譲り渡した場合その他特別の事情がある場合には、市は、前項の規定により納付すべき金額の全部又は一部の納付を免除することができる。

(現状変更等の許可)

第14条 市指定有形文化財に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、教育委員会の許可を受けなければならない。ただし、現状の変更については維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為で影響が軽微の場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する、維持の措置の範囲は、教育委員会規則で定める。

3 教育委員会は、第1項の許可を与える場合において、その許可の条件として同項の現状の変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し、必要な指示をすることができる。

4 教育委員会は、第1項の許可を受けた者が、前項の許可の条件に従わなかったときは、許可に係る現状の変更若しくは保存に影響を及ぼす行為の停止を命じ、又は許可を取り消すことができる。

5 第1項の許可を受けることができなかったことにより又は第3項の許可の条件を付せられたことによって、損失を受けた者に対して市は、その通常生ずべき損失を補償する。

(修理の届出等)

第15条 市指定有形文化財を修理しようとするときは、所有者等は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。ただし、第10条第2項の規定による勧告、第11条の規定による補助又は前条第1項の規定による許可を受けて修理を行う場合は、この限りでない。

2 教育委員会は、市指定有形文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る修理に関し、技術的な指導と助言をすることができる。

(環境保全)

第16条 教育委員会は、市指定有形文化財の保存のため必要があると認めるときは、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設の設置を命ずることができる。

2 市は、前項の規定による処分によって、損失を受けた者に対しては、その通常生ずべき損失を補償する。

3 第11条の規定は、第1項に規定する施設の設置について準用する。

(公開)

第17条 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者等に対し6箇月以内の期限を限って、教育委員会の行う公開の用に供するために、当該市指定有形文化財を出品することを勧告することができる。

2 教育委員会は、市指定有形文化財の所有者等に対し、3箇月以内の期限を限って、当該市指定有形文化財の公開を勧告することができる。

3 第1項の規定による出品のために要する費用全部又は前項の規定による公開のために要する費用の全部若しくは一部を市の負担とすることができる。

4 第1項又は第2項の規定により出品し、又は公開したことに起因して当該市指定有形文化財が滅失し、又はき損したときは、市は、所有者等に対し、その通常生ずべき損失を補償する。ただし、所有者等の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は、き損した場合は、この限りでない。

5 第1項の規定に該当する場合を除き、市指定有形文化財の所有者等以外の者が、その主催する展覧会その他の催しにおいて当該市指定有形文化財を公開しようとするときは、教育委員会の承認を受けなければならない。

6 教育委員会は、第2項又は前項の規定による公開及び当該公開に係る市指定有形文化財の管理に関し必要な指示をすることができる。

(保存のための調査)

第18条 教育委員会は、必要があると認めるときは、市指定有形文化財の所有者等又は管理責任者に対し、当該市指定有形文化財の現状又は管理、修理若しくは環境保全の状況につき報告を求めることができる。

(所有者等の変更に伴う権利義務の承継)

第19条 市指定有形文化財の所有者等に変更があったときは、新所有者等は、当該市指定有形文化財に関し、この条例に基づいてする教育委員会の勧告、指示その他の処分による従前の所有者等の権利義務を承継する。

2 前項の場合には、従前の所有者等は、当該市指定有形文化財の引渡しと同時にその指定書を新所有者等に引き渡さなければならない。

第3章 千曲市指定無形文化財

(指定)

第20条 教育委員会は、市の区域内に存する無形文化財(法第71条第1項の規定により重要無形文化財又は県条例第19条第1項の規定により長野県無形文化財に指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを千曲市指定無形文化財(以下「市指定無形文化財」という。)に指定することができる。

2 教育委員会は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体(無形文化財を保持する者が主たる構成員となっている団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)の同意を得て、保持者又は保持団体を認定しなければならない。

3 教育委員会は、第1項の規定による指定をした後においても、当該市指定無形文化財の保持者又は保持団体として認定するに足りるものがあると認めるときは、あらかじめ、そのものの同意を得て保持者又は保持団体として追加認定することができる。

4 第4条第3項から第5項までの規定は、第1項の規定による指定、第2項の規定による認定又は前項の規定による追加認定について準用する。この場合において、同条第4項中「所有者等」とあるのは「保持者又は保持団体の代表者」と読み替えるものとする。

(解除)

第21条 教育委員会は、市指定無形文化財が市指定無形文化財としての価値を失ったとき、又はその他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき、保持団体がその構成員の異動等のため保持団体として適当でなくなったと認められるとき、又はその他特殊の事由があるときは、その認定を解除することができる。

3 市指定無形文化財について法第71条第1項の規定による重要無形文化財又は県条例第19条第1項の規定による長野県無形文化財の指定があったときは、当該市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。

4 第1項の規定による指定の解除又は第2項の規定による認定の解除については、第4条第3項から第5項までの規定を、前項の規定による指定の解除については、同条第4項の規定を準用する。この場合においても、同条第4項中「所有者等」とあるのは「保持者又は保持団体の代表者」と読み替えるものとする。

5 保持者が死亡したとき、又は保持団体が解散したとき(消滅したときを含む。以下この条及び次条において同じ。)は、当該保持者又は保持団体の認定は解除されたものとし、保持者のすべてが死亡したとき、又は保持団体のすべてが解散したときは、市指定無形文化財の指定は解除されたものとする。この場合において、教育委員会はその旨を告示しなければならない。

(保持者の氏名変更等)

第22条 保持者が氏名若しくは住所を変更し、又は死亡したときは、保持者又はその相続人は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。保持団体が名称、住所若しくは代表者を変更し、構成員に異動を生じ、又は解散したときも、代表者(解散した場合にあっては、代表者であった者)について、同様とする。

(保存)

第23条 教育委員会は、市指定無形文化財の保存のため必要があると認めるときは、市指定無形文化財について、その記録を作成し、伝承者を養成し、その他その保存のため適当な措置を執り、又は保持者、保持団体その他適当なものを選定してこれらの措置を執らせることができる。

2 市は、前項の保持者、保持団体その他の者に対し、市指定無形文化財の保存に要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

3 前項の規定により補助金を交付する場合には、第11条第2項及び第12条の規定を準用する。この場合において、第11条第2項及び第12条中「管理等」とあるのは「保存」と読み替えるものとする。

(公開)

第24条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者又は保持団体に対し当該市指定無形文化財の公開を、市指定無形文化財の記録の所有者に対して記録の公開を勧告することができる。

2 前項の規定による公開のために要する費用は、その全部又は一部を市の負担とすることができる。

3 第1項の規定による公開については、第17条第6項の規定を準用する。

(保存に関する助言又は勧告)

第25条 教育委員会は、市指定無形文化財の保持者、保持団体その他その保存に当たることを適当と認める者に対し、その保存のため必要な助言又は勧告することができる。

第4章 千曲市指定有形民俗文化財・千曲市指定無形民俗文化財

(指定)

第26条 教育委員会は、市の区域内に存する有形の民俗文化財(法第78条第1項の規定により重要有形民俗文化財又は県条例第25条第1項の規定により長野県有形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを千曲市指定有形民俗文化財(以下「市指定有形民俗文化財」という。)に、無形の民俗文化財(同法同条同項の規定により重要無形民俗文化財又は同条例同条同項の規定により長野県無形民俗文化財に指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを千曲市指定無形民俗文化財(以下「市指定無形民俗文化財」という。)に指定することができる。

2 第4条第2項から第6項までの規定は、前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定について準用する。

3 第4条第3項の規定は、第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定について準用する。

4 第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定は、その旨を告示して行うものとする。

(解除)

第27条 教育委員会は、市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財が、市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財としての価値を失ったとき、その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 第4条第3項から第5項まで及び第5条第4項の規定は、前項の規定による市指定有形民俗文化財の指定の解除について準用する。

3 第4条第3項の規定は、第1項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除について準用する。

4 市指定有形民俗文化財又は市指定無形民俗文化財について法第78条第1項の規定による重要有形民俗文化財若しくは重要無形民俗文化財又は県条例第25条第1項の規定による長野県有形民俗文化財若しくは長野県無形民俗文化財の指定があったときは、当該市指定有形民俗文化財又は当該市指定無形民俗文化財の指定は解除されたものとする。

5 第1項及び前項の規定による市指定無形民俗文化財の指定の解除は、その旨を告示して行うものとする。

6 第5条第4項の規定は、第4項の場合の市指定有形民俗文化財の指定の解除について準用する。

(市指定有形民俗文化財の保護)

第28条 市指定有形民俗文化財に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、あらかじめ、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

2 教育委員会は、市指定有形民俗文化財の保護上必要があると認めるときは、前項の届出に係る現状変更又は保存に影響を及ぼす行為に関し必要な指示をすることができる。

(市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財の記録の作成等)

第29条 教育委員会は、市指定無形民俗文化財以外の無形の民俗文化財のうち特に必要のあるものを選択して、その記録を作成し、保存し、又は公開することができるものとし、市は当該無形の民俗文化財の公開又はその記録の作成、保存若しくは公開を行う者に対し、これに要する経費の一部を予算の範囲内で補助することができる。

2 第4条第3項第11条第2項及び第12条の規定は、前項の規定により選択及び補助について準用する。この場合において、第11条第2項及び第12条中「管理等」とあるのは「公開又はその記録の作成保存若しくは公開」と読み替えるものとする。

(準用規定)

第30条 第6条から第15条まで及び第17条から第19条までの規定は、市指定有形民俗文化財について、第23条から第25条までの規定は、市指定無形民俗文化財についてそれぞれ準用する。

第5章 千曲市指定史跡名勝天然記念物

(指定)

第31条 教育委員会は、市の区域内に存する記念物(法第109条第1項の規定により史跡、名勝若しくは天然記念物又は県条例第30条第1項の規定により長野県史跡、長野県名勝若しくは長野県天然記念物に指定されたものを除く。)のうち市にとって重要なものを千曲市指定史跡、千曲市指定名勝又は千曲市指定天然記念物(以下「市指定史跡名勝天然記念物」と総称する。)に指定することができる。

2 前項の規定による指定は第4条第2項から第5項までの規定を準用する。

(解除)

第32条 教育委員会は、市指定史跡名勝天然記念物が市指定史跡名勝天然記念物としての価値を失ったとき、その他特殊の事由があるときは、その指定を解除することができる。

2 市指定史跡名勝天然記念物について法第109条第1項の規定による史跡、名勝若しくは天然記念物又は県条例第30条第1項の規定による長野県史跡、長野県名勝若しくは長野県天然記念物の指定があったときは、当該市指定史跡名勝天然記念物の指定は解除されたものとする。

3 第1項の規定による指定の解除については、第4条第3項から第5項までの規定を、前項の規定による指定の解除については、同条第4項の規定を準用する。

(現状変更等の制限)

第33条 市指定史跡名勝天然記念物に関し、その現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、教育委員会の許可をうけなければならない。ただし、現状変更については、維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合、保存に影響を及ぼす行為については、影響の軽微である場合は、この限りでない。

2 前項ただし書に規定する措置の範囲は、教育委員会規則である場合は、この限りではない。

3 第1項の規定による許可を与える場合には、第14条第3項及び第4項の規定を準用する。

(標識等の設置)

第34条 市指定史跡名勝天然記念物の所有者等は、教育委員会規則で定める基準により、指定史跡名勝天然記念物の管理に必要な標識、説明板、境界標、囲いさく、その他の施設を設置するものとする。

(土地の所在等の異動の届出)

第35条 市指定史跡名勝天然記念物の指定地域内の土地について、その土地の所在、地番、地目又は地積に異動があったときは、所有者等(次条において準用する第6条第2項の規定により選任した管理責任者がある場合は、その者)は、速やかに、その旨を教育委員会に届け出なければならない。

(準用規定)

第36条 第6条から第8条まで、第10条から第16条まで、第18条及び第19条第1項の規定は、指定史跡名勝天然記念物について準用する。この場合において、第10条から第11条まで、第13条第15条及び第18条の規定中「修理」とあるのは、「復旧」と読み替えるものとする。

第6章 千曲市選定保存技術

(選定等)

第37条 教育委員会は、市の区域内に存する伝統的な技術又は技能で文化財の保存のために欠くことのできないもの(法第147条第1項の規定により選定技術又は県条例第35条第1項の規定による長野県選定保存技術に選定されたものを除く。)のうち保存の措置を講ずる必要があるものを、千曲市選定保存技術(以下「市選定保存技術」という。)として選定することができる。

2 前項の規定による選定をするに当たっては、あらかじめ、当該市選定保存技術の保持者又は保存団体(市選定保存技術を保存することを主たる目的とする団体で代表者の定めのあるものをいう。以下同じ。)の同意を得て、保持者又は保存団体を認定しなければならない。

3 第4条第3項から第5項まで及び第20条第3項の規定は、第1項の規定による選定及び前項の規定による認定について準用する。この場合において、第4条第4項中「所有者等」とあるのは「保持者又は保存団体の代表者」と読み替えるものとする。

(解除)

第38条 教育委員会は、市選定保存技術について保存の措置を講ずる必要がなくなったとき、その他特殊の事由があるときは、その選定を解除することができる。

2 教育委員会は、保持者が心身の故障のため保持者として適当でなくなったと認められるとき、保存団体が保存団体として適当でなくなったと認められるとき、その他特殊の事由があるときは、保持者又は保存団体の認定を解除することができる。

3 市選定保存技術について法第147条第1項の規定による選定保存技術又は県条例第35条第1項の規定による長野県選定保存技術の選定があったときは、当該市選定保存技術の選定は解除するものとする。

4 第1項の規定による選定の解除又は第2項の規定による認定の解除については、同条第4項の規定を準用する。

(準用規定)

第39条 第21条第5項第22条及び第23条の規定は、市選定保存技術について準用する。

第7章 審議会

(設置)

第40条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の4第3項の規定に基づき、教育委員会に千曲市文化財保護審議会(以下「審議会」という。)を設置する。

(任務)

第41条 審議会は、教育委員会の諮問に応じて、文化財の保存及び活用に関する重要事項について調査審議し、並びにこれらの事項に関して教育委員会に建議する。

(組織)

第42条 審議会は、委員8人以内で組織する。

2 委員は、学識経験者のうちから、教育委員会が委嘱する。

(任期)

第43条 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

2 委員が欠けた場合における補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。

(会長)

第44条 審議会に、会長及び副会長を置き、委員が互選する。

2 会長は、審議会の会務を総理する。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、その職務を代理する。

(会議)

第45条 会議は、教育委員会が招集し、会長が議長となる。

2 審議会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 審議会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第8章 補則

第46条 この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成15年9月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の更埴市文化財保護条例(昭和55年更埴市条例第27号)、戸倉町文化財保護条例(昭和39年戸倉町条例第8号)又は上山田町文化財保護条例(昭和59年上山田町条例第12号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、それぞれこの条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 第43条第1項の規定にかかわらず、この条例施行後最初に委嘱される審議会の委員の任期は、平成17年3月31日までとする。

(平成17年3月25日条例第8号)

この条例は、平成17年4月1日から施行する。

千曲市文化財保護条例

平成15年9月1日 条例第124号

(平成17年3月25日施行)

体系情報
第8編 育/第5章 文化財
沿革情報
平成15年9月1日 条例第124号
平成17年3月25日 条例第8号