○千曲市伝統的建造物群保存地区保存条例

平成25年12月24日

条例第28号

(目的)

第1条 この条例は、文化財保護法(昭和25年法律第214号。以下「法」という。)第143条第1項の規定に基づき、本市が都市計画に定める伝統的建造物群保存地区に関し、現状変更の規制その他その保存のため必要な措置を定め、もって市の文化的向上に資することを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において「伝統的建造物群」とは、法第2条第1項第6号に規定する伝統的建造物群をいう。

2 この条例において「伝統的建造物群保存地区」とは、法第142条に規定する伝統的建造物群保存地区をいう。

(保存計画)

第3条 千曲市教育委員会(以下「教育委員会」という。)は、都市計画法(昭和43年法律第100号)の規定に基づき伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)が決定されたときは、千曲市伝統的建造物群保存地区保存審議会(第11条に規定する審議会をいう。第9条第2項において同じ。)の意見を聴いて当該保存地区の保存に関する計画(以下「保存計画」という。)を定めなければならない。

2 前項の保存計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 保存地区の保存に関する基本計画に関する事項

(2) 保存地区内における伝統的建造物群を構成している建築物(建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1項に規定する建築物をいう。以下同じ。)その他の工作物(以下「伝統的建造物」という。)及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件(以下「環境物件」という。)の決定に関する事項

(3) 保存地区内における建築物その他工作物(以下「建築物等」という。)及び環境物件の保存整備計画に関する事項

(4) 保存地区内における建築物等及び環境物件に係る助成措置等に関する事項

(5) 保存地区の保存のため必要な管理施設及び設備並びに環境の整備に関する事項

3 教育委員会は保存計画を定めたときは、これを告示しなければならない。

4 保存計画を変更しようとするときは、第1項及び前項の規定を準用する。

(現状変更行為の規制)

第4条 保存地区内における次の各号に掲げる行為については、あらかじめ、市長及び教育委員会の許可を受けなければならない。

(1) 建築物等の新築、増築、改築、移転又は除却

(2) 建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更で、その外観を変更することとなるもの

(3) 宅地の造成その他土地の形質の変更

(4) 木竹の伐採

(5) 土石類の採取

(6) 水面の埋立て

2 前項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為に該当する行為で次に掲げるものについては、同項の規定による許可を受けることを要しない。

(1) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

(2) 次に掲げる工作物(建築物以外の工作物をいう。以下同じ。)の新築、増築、改築、移転又は除却

 仮設の工作物

 水道管、下水道管、井戸その他これらに類する工作物で地下に設けるもの

(3) 次に掲げる木竹の伐採

 間伐、枝打ち、整枝等木竹の育成のため通常行われる木竹の伐採

 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採

 森林病害虫等防除のための木竹の伐採

 自家の生活の用に充てるために必要な木竹の伐採

 仮植した木竹の伐採

(4) 前3号に掲げるもののほか、次に掲げる行為

 法令又はこれに基づく処分による義務の履行として行う行為

 長野県公安委員会が行う道路標識等の設置又は管理に係る行為

 農業を営むために行う行為。ただし、次に掲げる行為を除く。

(ア) 建築物等(仮設の工作物を除く。)の新築、改築、増築、移転又は除却

(イ) 用排水施設又は幅員が2メートルを超える農道の設置

(ウ) 宅地の造成又は土地の開墾

(エ) 水面の埋め立て

3 市長及び教育委員会は、第1項の許可をする場合には、保存地区の保存のため必要な限度において条件を付することができる。

(許可の基準)

第5条 市長及び教育委員会は、前条第1項各号に掲げる行為で次の各号に定める基準(市長にあっては第8号に定める基準)に適合しないものについては、同項の規定による許可をしてはならない。

(1) 伝統的建造物の増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の伝統的建造物の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(2) 伝統的建造物群の移転(保存地区内における当該伝統的建造物の移築を含む。以下この号において同じ。)については、移転後の伝統的建造物の位置及び移転後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(3) 伝統的建造物の除却については、除却後の状態が当該伝統的建造物群の特性を維持していると認められるものであること。

(4) 伝統的建造物以外の建築物等の新築、増築若しくは改築又は修繕、模様替え若しくは色彩の変更でその外観を変更することとなるものについては、それらの行為後の当該建築物等の位置、規模、形態、意匠又は色彩が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(5) 前号の建築物等の移転については、移転後の当該建築物等の位置及び移転後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(6) 第4号の建築物等の除却については、除却後の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(7) 前条第1項第3号から第6号までの行為については、それらの行為後の土地の形状その他の状態が当該保存地区の歴史的風致を著しく損なうものでないこと。

(8) 前各号に定めるもののほか、当該行為後の建築物等又は土地の用途及び形態が当該伝統的建造物群の保存又は当該保存地区の環境の維持に著しい支障を及ぼすおそれがないものであること。

(許可に関する特例)

第6条 国若しくは地方公共団体の機関又は法令の規定により国の行政機関若しくは地方公共団体とみなされた法人(以下「国の機関等」という。)が行う行為については、第4条第1項の許可を受けることを要しない。この場合において、当該国の機関等は、同項の許可に係る行為をしようとするときは、あらかじめ、市長及び教育委員会に協議しなければならない。

第7条 文化財保護法施行令(昭和50年政令第267号)第4条第6項各号に規定する行為及びこれらに類する行為で、保存地区の保存に著しい支障を及ぼすおそれがないものとして、規則で定めるものについては、第4条第1項及び前条の規定は適用しない。この場合において、同項の許可又は同条の協議に係る行為をしようとするときは、あらかじめ、市長及び教育委員会にその旨を通知しなければならない。

(助言等)

第8条 市長及び教育委員会は、保存地区の保存のために必要があると認めるときは、保存地区内において第4条第1項各号に掲げる行為をしようとする者又はした者に対して、必要な助言又は勧告をすることができる。

(許可の取消し等)

第9条 市長及び教育委員会は、次の各号のいずれかに該当する者に対して、保存地区の保存のため必要な限度において、第4条第1項の規定によってした許可を取り消し、又は工事その他の行為の停止を命じ、若しくは相当の期限を定めて、建築物等の改築、移転又は除却その他違反を是正するため必要な措置を執ることを命ずることができる。

(1) この条例の規定又はこれに基づく処分に違反した者

(2) この条例の規定若しくはこれに基づく処分に違反した工事の注文主若しくは請負人(請負工事の下請人を含む。)又は請負契約によらないで自らその工事をしている者若しくはした者

(3) 第4条第3項の規定により許可に付した条件に違反している者

(4) 詐欺その他不正な手段により、第4条第1項の規定による許可を受けた者

2 市長及び教育委員会は、前項の規定により処分をし、又は必要な措置を執ることを命じようとするときは、あらかじめ、千曲市伝統的建造物群保存地区保存審議会の意見を聴き、かつ、当該処分又は措置を命ずべき者について聴聞を行わなければならない。ただし、緊急を要する場合については、この限りでない。

(経費の補助等)

第10条 市は、保存地区内における建造物及び伝統的建造物群と一体をなす環境を保存するため特に必要と認められる物件の管理、修理、修景又は復旧について、自ら保存のため適当な措置を行い、又は当該物件の所有者等に対しその経費の一部を補助することができる。

(審議会の設置)

第11条 市長及び教育委員会の諮問に応じ、保存地区の保存等に関する重要事項について調査及び審議をし、並びにこれらの事項について市長及び教育委員会に建議するため、千曲市伝統的建造物群保存地区保存審議会(以下「審議会」という。)を置く。

2 審議会は、委員15名以内で組織し、次に掲げる者のうちから教育委員会が委嘱する。

(1) 学識経験のある者

(2) 関係地域における建築物等の所有者

(3) 前2号に掲げるもののほか、教育委員会が必要と認める者

3 委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 前3項に定めるもののほか、審議会の運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

(罰則)

第12条 次の各号のいずれかに該当する者は、5万円以下の罰金に処する。

(1) 第4条第1項の規定に違反した者

(2) 第9条第1項の規定に基づく命令に違反した者

(両罰規定)

第13条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して、前条に規定する違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても前条の罰金刑を科する。

(委任)

第14条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長及び教育委員会が別に定める。

(施行期日)

1 この条例は、都市計画に定める伝統的建造物群保存地区に係る都市計画決定の告示があった日から施行する。ただし、第11条並びに附則第2項及び第3項の規定は、公布の日から施行する。

(千曲市特別職の職員等の給与に関する条例の一部改正)

2 千曲市特別職の職員等の給与に関する条例(平成15年千曲市条例第39号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

(千曲市特別職の職員等の旅費又は費用弁償に関する条例の一部改正)

3 千曲市特別職の職員等の旅費又は費用弁償に関する条例(平成15年千曲市条例第45号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

千曲市伝統的建造物群保存地区保存条例

平成25年12月24日 条例第28号

(平成26年7月8日施行)