千曲市は2020東京オリパラ大会のハンガリーホストタウンに登録されました

2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として海外との交流を深めるため国が推進しているホストタウン事業を活用して、これまで長年の交流を続けているハンガリーを相手国とするホストタウン登録の申請を行ってきたところ、12月28日、内閣官房オリパラ推進本部より、千曲市が登録された旨の連絡を受けました。

• ハンガリー卓球連盟との協定（2018年11月14日にブダペストにて調印）に基づく事前キャンプの受け入れや選手と市民との交流事業の開催
• 市民交流の中心であるヴェルーツェ町との交流事業の開催
• 2019年が、ハンガリーと日本の国交樹立150周年となることから、記念事業等への参加

 2020東京オリパラ大会に向け、全国の地方自治体がホストタウンとなり、住民と一体となって相手国の選手や関係者、オリンピアン・パラリンピアンとの交流を行い、グローバル化、地域の活性化、観光振興等を図る取り組みのこと。

 現在、千曲市内で活動している千曲市ハンガリー友好協会の前身である「日本・ハンガリー現代版画展実行委員会」が1990年12月、合併前の旧上山田町で発足しました。翌、1991年には初回の「日本・ハンガリー現代版画展」が開催され、ハンガリーからの招待作家としてヴェルーツェ在住のミジェール・パール氏が、当時ヴェルーツェ町長であったアルパーリー・ジョルジュ氏とともに上山田へやってきました。

 この時から、ハンガリーとの交流の歩みが始まり、令和元年に28年を超えました。市民が主体的に進めてきた国際交流の流れが、来年のオリンピックを契機に、さらなる広がりを見せています。

 千曲市上山田に住む銅版画家の若林文夫さんがハンガリーの工房で作品制作を行ったことがきっかけとなり、1991年に上山田文化会館で「日本・ハンガリー現代版画展」が2年に1度、開催されることになりました。当時交流のあったハンガリーの若手作家たちは、ハンガリーを代表する有名な芸術家になり、若林さんも、ハンガリー人陶芸家のアーグネス・フスさんと結婚して、上山田の自宅でそれぞれの作品制作に忙しい毎日を送っています。

 現代版画展の実行部隊として組織された実行委員会は、合併のあと名前を「千曲市ハンガリー友好協会」に変え、ハンガリーの音楽とワインを紹介するイベントの開催やハンガリーからの来客の応対、代々の駐日ハンガリー大使を始めとする大使館との交流など、こんにちまで、交流の灯を絶やさずにつなげてきてくれました。

 行政側では、平成5年に長野で開催されたスペシャルオリンピックス冬季世界大会の際にハンガリーからの選手団50名のホストタウンとなり、建て替え前の白鳥園をベースに事前合宿を行い、多くの市民が遠くハンガリーから千曲市へやってきたたくさんのアスリートとの交流を深めることができました。

 そうした交流の経緯を踏まえて、市長が、現在の駐日大使であるパラノビチ・ノルバート氏との交流をスタートさせ、そこからハンガリー卓球連盟の事前合宿招致に駒を進めることとなりました。昨年（平成30年）3月21日には、ハンガリー卓球連盟理事のドゥベーツィ・ゾルタン氏が建設中の新体育館を訪れ、事前合宿地としてふさわしいとの感触を持ってもらったことで、一気に千曲市における事前合宿の実施に合意する協定書の調印へと進みました。

 世界を転戦するトップアスリートは、大きな大会が開催される都市の周辺で大会前に合宿をすることが多く、ハンガリーの卓球選手は、来年のオリンピックを始めとする日本国内や周辺国で開催される大会の前に、千曲市で気温や時差などに体を慣らしてから大会に臨みます。世界レベルの選手を間近で見られたり、交流や練習試合ができたりすることで市内の卓球競技者のレベルアップや競技人口の増加につながるものと期待しているところです。

 かつて社会主義国だったハンガリーでは、重厚な石造りの街並みに真四角の飾り気のないビルが点在する不思議なコントラストが魅力のひとつ。日本人の好みに合うおいしい料理、国内あちこちに点在する温泉、どこにでも普通にあるあんずの木、少しシャイで優しい国民性など、千曲市民には違和感なく親しめる美しく、優しいお国柄で、交流の相手としては申し分のない国です。ぜひ、みなさんもハンガリーとの交流に積極的に関わってみてください。ハンガリーとこんなことがしてみたい。こんなことが知りたい、旅行してみたい、留学先として考えたいといった相談には生涯学習課と千曲市ハンガリー友好協会が対応しますので、遠慮なく連絡してください。