長野県宝並びに市指定文化財 仏像2体を探しています

更新日:2022年03月02日

「あんずの花」で知られる千曲市森地区の「観龍寺」に安置されていた長野県宝「木造聖観音菩薩立像」と千曲市指定文化財「木造不動明王立像」の2点が、平成12年9月に盗まれてしまいました。
千曲市教育委員会・観龍寺では、この2体の仏像を探しています。
お気付きのことがありましたら、下記へご連絡下さい。

連絡先

〒387-0012 長野県千曲市大字桜堂268-1
千曲市教育委員会 歴史文化財センター
電話番号026-261-3210

木造聖観音菩薩立像 像立98.5センチ・面幅11.3センチ・面奥13.5センチ・肩張25.3センチ・胸厚24.8センチ

 像は、桧材で頭躰共木の完全な一木造である。造顕当初は胡粉地彩色を施されていたようで、掘り込みの窪地に下胡粉が残るが、彩色は剥落し、ほとんど素地に近い。宝髻は掘りだしとし、天冠台も同様である。
 地髪はまばら彫で髪際は一文字とする。眼は彫眼で三道を有し彫肩先を矧ぎ付け、条帛天衣を躰部共木で彫りだしている。垂髻は低目で太く、天冠台多角上部は外方に開く。眉は自然の円弧で、服はほとんど俯瞰することなく、両瞼張り前方を注視するが大変に切れが長い。口元はまた硬くよく締まり感厳がある。両肩から臂に下がる線は自然の曲線を描き、胸の厚みもあって、力の充実した体躯を構成している。裳の折り返しは左右相称で、膝前下の裳のひだを茶匙形に繰り返す。

天衣を纏い、厳かな表情を浮かべている木造聖観音菩薩立像の写真

木造不動明王立像 像立105.5センチ・面幅12.0センチ・面奥15.0センチ・肩張17.5センチ・胸厚17.8センチ

 像は、頭頂は頂蓮を戴き、髪は簡略化された巻髪で弁髪を持たない(後補の際に削り取られた可能性が強い)。面部は彫眼で瞋目。口元は上下牙。頸部三道。条帛・二段折返しの腰布・裳をつける。
 左腕は屈臂し、掌を上にして羂索を握り、右腕は臂を張り宝剣を握る。脚部は右脚に重心を置き腰部を張り出し、左脚はやや斜前に踏み出し、両脚を開いて岩座上に立つ。臂釧・腕釧(共に金属か)は後補の際にはずされたものか現存しない。彩色は当初前面に施されていたが、後補の際肉身部は胡粉地古色塗、条帛・裳は胡粉地彩色とするが、現状身部全体剥落部が多く素地を見せている。
 裳正面左右側面には、法輪文(力)が認められる。

片手に宝剣、もう片手は羂索を握っている木造不動明王立像の写真

この記事に関するお問い合わせ先

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〒387-0012
長野県千曲市大字桜堂268番地1
電話番号:026-261-3210
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