千曲川関連治水対策(千曲市内)の現在状況
千曲川関連治水対策(千曲市内)の概要
千曲川では、令和元年東日本台風(台風第19号)における甚大な被害を受け、令和2年1月31日に「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」がとりまとめられました。
現在、国・県・流域市町村の関係機関が連携し、水系全体で河川における対策、流域における対策、まちづくり・ソフト対策を一体的かつ緊急的に進めています。
このページでは、そうした千曲川関連治水対策の千曲市内における進捗状況をお知らせします。
信濃川水系緊急治水対策プロジェクト全体に関する、より詳細なパンフレット・ロードマップなどは、以下の概要ページをご覧ください。
千曲市内における各種取り組みの進捗状況
遊水地整備の進捗状況
大規模な洪水が発生した際に、千曲川の水を一時的に貯留するために、千曲市内で2か所(埴生遊水地:埴生地区、平和橋遊水地:八幡地区)の遊水地整備が計画されました。
市内に整備される遊水地は、限られた期間内で事業を進めるために事業所を避けた「暫定形」での整備が計画されており、面積はそれぞれ約10ヘクタール、容量は埴生遊水地が約37万トン、平和橋遊水地が約23万トンです。
埴生遊水地では、遊水地事業と合わせて東林坊川と千曲川本川の合流点に背割堤(2つの川を区切り平行な流路とする堤防)を設け、合流点を下流に約500m動かすことで、東林坊川への千曲川本川からの背水(下流での水位変化の影響が上流に及ぶこと)の影響を低下させ、住宅地への浸水被害解消を図る計画です。
令和5年に起工式を開催して工事着手となり、排水樋門工事は令和6年に完了しました。
現在、東林坊川の付け替えと背割堤及び周囲堤工事も施工中です。
平和橋遊水地では、上流に位置する住宅地(八幡代団地)から約30メートル離して堤防を設置するとともに、若宮用水の内水排除機能を残したまま整備を行います。
併せて、千曲川からの背水による住宅地(八幡代団地)への浸水を解消するため、国と連携して詳細な検討を行っています。
これまで用地取得を進めてきており、事業用地が確認できてきたため、令和8年度から遊水地工事に着手する予定です。
プロジェクト全体の事業期間については、令和9年度末を令和13年出水期前まで延長して事業を進めていくことになりました。
この中で、埴生遊水地の完成目標は令和8年度末、平和橋遊水地は令和10年度末を目標にしています。
(令和7年12月時点)
千曲市におけるこれら2つの遊水地整備は、地権者の皆さまから用地の提供をいただくなど、ご協力をいただくなかで事業を進めております。
事業期間延長等の詳細、埴生遊水地の工事情報は以下の資料をご覧ください。
埴生遊水地だより 1号(PDFファイル:2.5MB)
埴生遊水地だより 2号(PDFファイル:2.7MB)
遊水地事業の経緯と今後の予定(PDFファイル:3.5MB)
国、市で行った住民説明会に関する情報は、国土交通省北陸地方整備局のWEBサイトで公開されています。
その他取り組みの進捗情報
河道掘削
ステップ1(赤坂橋上流)は完了し、令和5年からステップ2(土口水門付近)に着手し継続して施工中です。
埴生遊水地事業に関連して、ステップ5付近でも河道整正が実施されています。
(令和7年7月時点)
堆積土砂除去
千曲市内で計画されていた4か所すべて完了しました。
(令和6年5月時点)
堤防強化工事等
雨宮地区の堤防強化(越水対策)は継続して施工中であり、令和7年度末まで堤防道路を通行止めにして集中的に進めています。
野高場地区の堤防強化(浸透対策)は、佐野川合流地点から粟佐橋までの間で計画されており、そのうち佐野川から千曲橋間においては令和7年12月の工事が着手されました。
(令和7年12月時点)
千曲川の砂礫河原を再生しています
国土交通省千曲川河川事務所では、沿線住民などの関係者や学識者と連携・協働しつつ、市も協働する中で砂礫河原の保全・再生などに取り組んでいます。
自然再生事業では千曲川の土砂を掘削することで砂礫河原を再生し、樹林化を防ぎます。令和6年まで上徳間地区で掘削が進められ、現在は平和橋下流右岸の中地区において自然再生事業が実施されています。
千曲市報による情報発信
千曲市内で進められている「埴生遊水地整備」や「平和橋遊水地整備」に関する情報は、千曲市報でも発信しています。
また、千曲市独自の取り組みとして、遊水地が完成するまでの応急的な水防活動として大型土のうを設置しています。


更新日:2025年12月26日